生活習慣改善に関する知識・技術の向上を目指して
プロジェクトでは、これまで、フランシスコモラサン県とエル・パライソ県のパイロット地域(レベル1地域)で活動を展開してきました。2022年から行われた能力強化研修では、医師・正看護師にはじまり、准看護師や保健ボランティアへカスケード研修が実施されました。さらに、一次医療施設における活動支援や、優先NCDサービスにかかる医療施設のモニタリングも行っています。これは、優先NCD(高血圧症・糖尿病)予防と疾病のコントロールのため、施設サービスの質を改善する目的を持っています。
2024年8月と9月に、フランシスコモラサン県とエル・パライソ県の一次医療施設に勤務する医師と正看護師を対象に、生活習慣改善に関する知識・技術の向上を目指し、主に食生活をテーマにしたフォローアップ研修が実施されました(写真1)。これまでの研修でも生活習慣改善について取り上げてきましたが、今回はプロジェクト活動の好事例を踏まえ、更に実践に活かせる内容となりました。
パイロット地域の一次医療施設では、優先NCD(高血圧症・糖尿病)患者に対し、予防と疾病のコントロールのため、食生活に関するカウンセリング・指導を行っています。ホンジュラスの一次医療施設には栄養士が配置されていないため、代わりに医師や看護師がカウンセリングの担い手です。しかし、栄養や食生活に関する知識も少なく、カウンセリング等のサービスを提供した経験が十分にないことから、今回のフォローアップ研修が計画されました。
研修では、まず体組成計による体脂肪率や基礎代謝量などの測定方法の復習を行いました(写真2)。次にプロジェクト活動として新しく導入された栄養カード、ビデオ教材、啓発チラシ等が紹介され、カウンセリングや患者クラブでの活用方法が紹介されました(写真3)。また、加工食品の塩分・糖分の確認や、栄養カードを活用したカウンセリング演習などが行われました(写真4)。カウンセリング演習は好評で、教材を活用することで視覚的にもわかりやすく、患者に説明がしやすいという声が聞かれました。今後も、生活習慣改善の取組み強化に向け、一次医療施設に勤務する医師・看護師の活動を支援していきます。
写真1:フォローアップ研修の様子
写真2:体組成計の使用方法を確認する様子
写真3:栄養カードを説明する様子
写真4:食生活のカウンセリング演習の様子
写真5:医療施設のモニタリングの様子