レベル2地域へのプロジェクト活動の拡大
プロジェクトでは、これまで、フランシスコモラサン県とエル・パライソ県のパイロット地域(レベル1地域)で活動を行ってきました。2024年5月以降、同県の全ての地域(レベル2地域)で活動を展開しています。
その一環として、2024年7月から9月にかけてレベル2地域の一次医療施設に勤務する医師と正看護師を対象に、優先NCD(高血圧症・糖尿病)の能力強化研修が実施されました。主な研修テーマは、「優先NCDの診療」、「健康的な生活習慣」、「優先NCDに対するコミュニティ保健活動」です。
研修では、ホンジュラス自治大学の協力を受け、専門医や栄養士が講義を担当し、質の高い内容となりました。講義に加え、体組成計を用いた測定練習や糖尿病合併症の診察方法、ケース演習を多く実施し、研修後の知識確認テストでも、医師・正看護師ともに平均点が85点以上となり、研修の成果が確認されました。
また、プロジェクトが導入した診療記録用紙(カルテ)、患者カード、栄養カウンセリング教材、啓発ビデオ教材などが紹介されました。参加者からは「内容がとてもわかりやすく、早速一次医療施設でも活用したい」と好評です。加えて、コミュニティの保健活動計画づくりのグループワークでも、優先NCD患者の登録者数向上に必要な取り組みや、保健センターにアクセスできない患者へのアプローチ方法などが話し合われました。
今回レベル2地域への活動が開始され、これまで以上に多くの医療施設での優先NCDサービスの提供が期待されます。活動地域は広がるため、活動の質を保つ取り組みが重要となってきています。
専門医による講義の様子(1)
専門医による講義の様子(2)
糖尿病合併症の診察練習
栄養教材を紹介する様子
コミュニティ保健活動計画のグループワーク