「体験型」ボランティア研修の実施
2025年1月より、コミュニティで活動する「保健ボランティア」を対象に、優先NCD(高血圧症・糖尿病)に関する研修を実施しています。保健ボランティアは、コミュニティの住民から選出され、一次医療施設のサービスと住民の間の橋渡し役として、重要な存在です。
高血圧症・糖尿病の治療では、合併症を予防するために、早期発見と早期治療の開始が重要です。コミュニティにおいて、高血圧症・糖尿病リスクの高い住民へのアプローチを強化する必要があります。そのため、地域の健康課題にも詳しい保健ボランティアの協力を得ながら、ヘルスプロモーション活動を促進しています。
研修は「体験型」の内容を重視した構成となっています。まず、参加者は会場に到着後、血圧と血糖値を測定してもらいます。その後、講義の中で自身の血圧・血糖値と比較しながら、血圧・血糖値とは何かについて学びます。また、プロジェクトで導入をしている「優先NCDスクリーニング用紙」の使った演習を行っています。演習では、他の保健ボランティアとペアになり、生活習慣に関する8つの簡単な質問を通じて、合計点数に応じたリスク評価を行います。研修に参加した保健ボランティアからは、「簡単に実施できる」、「面白い」との声が寄せられました。更に、高血圧症・糖尿病の予防や治療に関連した「健康的な生活習慣」について、視覚的な栄養教材や運動のビデオを用いながら学びます。
研修の中で、保健ボランティアから「血圧が高い近隣住民がいるが、症状がないことから受診をしていない」との事例があがりました。これに対し、講師を担当した医師は、早期治療の重要性や、高血圧・糖尿病は無症状で進行する場合が多いことを説明しました。保健ボランティアたちは、これらの情報を住民に伝え、受診を促していきたいと話していました。
保健ボランティアの協力を得ながら、一次医療施設がコミュニティにおける保健活動を強化していくことが期待されます。
保健ボランティアの血圧・血糖測定
高血圧症・糖尿病に関する講義の様子
健康的な生活習慣に関する講義の様子
優先NCDスクリーニング用紙のペアワーク
研修参加者との集合写真