「世界糖尿病デー」における予防・啓発活動の取組み
毎年11月14日は「世界糖尿病デー」です。世界規模で糖尿病が拡大していることを受け、1991年に国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって制定され、2006年に国連により公式に認定されました。
IDFによると、世界中の成人の10人に1人が糖尿病を患い、その半数近くはまだ診断されていないと推定されています1。2021年から2023年の世界糖尿病デーのテーマは「糖尿病ケアへのアクセス (Access to diabetes care)」です。さらに今年は、人々が2型糖尿病のリスクを知り、タイムリーに治療へアクセスできることを目指し、「Know your risk, know your response」というサブテーマを掲げています。糖尿病のリスクを減らす予防行動、進行を遅らせるための早期発見や早期治療がとても重要です。
プロジェクト対象地域でも、世界糖尿病デーに関する活動が行われました。保健センターでは、ポスター展示やチラシの配布、健康講話や体操、糖分を控えたジュースの試飲などの活動が実施されました。コミュニティにおいては、「健康まつり」と呼ばれるイベントが開催され、住民を対象として優先NCDのリスクを測るスクリーニングや身体測定、血圧・血糖値の測定が行われました。場所によっては、保健センターの医療従事者が地域にあるタバコ工場や酒造工場を訪問し、従業員の血圧・血糖値の測定やスクリーニングを目的とした生活習慣に関する質問を行いました。多いところでは約203名の従業員への測定とスクリーニングが実施され、従業員によっては血圧や血糖値が正常値より高く、受診を促された人もいました。
これらのイベントは、市や民間企業など地域の協力によって実現しています。地域と連携した予防・啓発活動が重要となっています。
1. International Diabetes Federation, https://worlddiabetesday.org/about/key-messages/
高血圧症・糖尿病に関するスクリーニングを行う様子
世界糖尿病デーのイベントの様子
酒造工場で従業員の身体測定を行う様子
タバコ工場で従業員の血糖・血圧測定を行う様子