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ブータン南部の中核病院でブータン蘇生コース(Druk Sokchop)の一次救命処置インストラクターが育成されました。

11月25日~28日、ブータン南部のゲレフ病院でブータン蘇生コース(DS:Druk Sokchop)の一つ一次救命処置(BLS:Basic Life Support)のインストラクターコースが行われました。

プロジェクトはこれまで、王立医科大学のほか、ブータンの地域中核病院となるゲレフとモンガルにある実習病院にも、シミュレーションセンターを整備してきました。今回はゲレフ病院(CRRH:Central Regional Referral Hospital) に勤務するスタッフからインストラクター候補者を選出し、ティンプーのBLS講師(マスタートレーナー)5名が、 CRRHで4日間にわたり、インストラクターコースを実施しました。

研修1日目、2日目:BLSプロバイダーコースの実施

ティンプーからの講師は、研修実施先について不慣れなもののCRRHのシミュレーションセンター長や管理者の協力を得て研修実施の準備をし、18名に対して研修を実施しました。既にティンプーの三次病院(国立レフェラル病院)でスタッフ400名に対し、同コースを実施しており、ファシリテーションも上達し、熱気のあるコースとなりました。

研修3日目:共通インストラクター研修(GIM)の実施

今年5月に開発されたGIM(Generic Instructor Module)をインストラクター候補者に実施。インストラクターとして必要なスキルを教授しました。翌日のプロバイダーコースを自分たちで実施するために、インストラクター候補者は真剣に講義に取り組み、研修の準備も万端となりました。

研修4日目:インストラクター候補者によるBLSプロバイダーコースの実施

インストラクター候補者は緊張しながらも、マスタートレーナの支援もあり、順調にコースを実施することができました。受講者はCRRHの医師や看護師、技師等で、既にオンライン上で基本講義を受講しており、対面では実技に集中。4つのチームにわかれて心臓マッサージ、気道確保、窒息時の対応等を実習しました。臨床で心肺蘇生を経験している参加者もいますが、積極的に実習に取り組む様子も見られました。4日間のコースを終えて、17名がBLSインストラクターとして承認されました。

今回の研修には、過去に本プロジェクトで2度のブータン派遣、本邦研修でブータンにおけるシミュレーション教育の基礎教育について尽力されている染谷真紀専門家(京都大学医学部附属病院、シミュレーションセンター長)にも視察・助言をいただきました。「今年2月にシミュレーション教育研修をうけ、5月にインストラクター研修を作り上げたばかりとは思えないほど、インストラクターの方々がシミュレーション教育に精通してきていることに驚きを隠せません。受講者もインストラクターも非常に熱心で、コース中の議論やアドバイスの内容も含め学んだことをすぐに取り入れて実践していく様子はとても印象的で、ブータン蘇生コースが今後さらに発展していくことが期待できます。」

ゲレフは、ブータン南部のインドとの国境沿いの町。首都ティンプーから約250km離れ、道路が舗装整備されているものの国のトップリフェラル病院まで車で約7~8時間かかります。高次医療が必要な症例については、ティンプーやインドに移送されますが、各地域で一次救急、二次救急の処置が適切に行われることが期待されています。国外への人材流出で医療人材不足が深刻ですが、医療者の誰もが確実に一次救急処置を身につけることは非常に重要であり、今回のコースでインストラクターがこの地域に養成され、このインストラクターによりゲレフ病院、および周辺の病院や医療施設のスタッフ向けにBLSコースが実施されることが期待されています。

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研修初日:マスタートレーナーの指導による心臓マッサージ実技。ゲーム感覚を取り入れながら胸部圧迫を学ぶ様子。(於CRRH セミナーホール)

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GIM研修:乳児心肺蘇生のロールプレーの様子。染谷専門家(奥)、マスタートレーナー(左端)が見守る中、受講生がインストラクター役(中央右)、受講者役(中央)となり指導のトレーニングを行った。(於CRRHセミナーホール)

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研修最終日:三日間のインストラクター養成研修の成果を発揮して、受講者への指導を行う様子。(於 CRRHカンファレンスホール)

ブータン 医学教育の質の強化プロジェクト
短期専門家 井上信明
業務調整 大石博子

参考WEBサイト