パリ協定のもとでの報告に用いる共通表様式 (CTF) に関するワークショップ

JICA気候変動協力事業SPI-NDCは、ベトナム天然資源環境省(MONRE)とともに、パリ協定のもとでの報告に用いるCTF に関するワークショップを以下のとおり開催しました。本会合では、国が決定する貢献(NDC)の進捗に関して途上国の直面する新たな国際報告要件について学び、先進国として既に類似の経験をしている日本の事例が紹介されました。

日時・場所

日時:2023年5月30日(火)
場所:Grand K Hotel Suites Hanoi
参加者:59名(会場参加29名、オンライン参加30名)

プログラム

13:30 - 13:45 開催挨拶 ルオン・クアン・フイ 天然資源環境省気候変動局GHG排出削減・オゾン層保護課 課長
福田幸司 SPI-NDC総括/長期専門家
13:45 - 14:10 気候変動枠組条約のもとでの透明性 ジグメ
透明性課 課長 気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局
14:10 - 14:25 ベトナムのBTR準備について グエン・ヴァン・アイン
天然資源環境省気候変動局
14:25 - 14:45 SPI-NDCプロジェクトの進捗管理に関する支援概要、および緩和策の進捗管理に関する日本の事例 玉井暁大
SPI-NDC短期専門家
14:45 - 15:00 質疑応答
15:00 - 15:15 休憩
15:15 - 15:30 パリ協定のもとでの緩和策の報告要件とCTF ダン・ホン・ハイン
SPI-NDCナショナルエキスパート(VNEEC)
15:30 - 15:45 ディスカッション
15:45 - 16:00 閉会 ルオン クアン フイ MONRE 気候変動局
稲森真希子
JICAベトナム事務所

概要

高い野心度の目標を掲げたNDCの着実な実施の為に、その進捗管理は国内の取り組みとして必須です。のみならず、その進捗と達成の成否を報告することが、パリ協定の締約国にも求められています。CTFはこのための様式の一つであり、2024年末までにベトナムが提出する予定の第1回隔年透明性報告書(BTR1)の一部となります。CTFには緩和策とその進捗に関する数多くの報告要件があり、その準備には多くの労力を要します。そこで、MONREのBTR1作成関係者および各セクターの進捗報告に関連するデータ提供者等を対象に、CTFの報告要件の概説と記入例等を紹介しました。また、パリ協定のもとでの報告に至るまでの発展の歴史、ベトナムのこれまでの報告の経緯とBTR1作成の計画についての発表がありました。

また日本は、京都議定書目標達成計画や温暖化対策計画の進捗管理の経験を既に15年程度有しています。またパリ協定のCTFと類似の国際報告も実施してきました。一方、ベトナムでは体系的には行われていないため、国内での進捗管理とその国際報告について、日本の経験が共有されました。それらを踏まえ、CTFの報告要件の分析と、ベトナムのNDCに関する公開情報等を元に作成した記入例の説明が行われました。

NDCの進捗管理には、権限を与えられた機関が実施する必要があること、国内の管理と国際報告で統一した内容とすべきことが参加者間で確認されました。

ワークショップの様子

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