【医師】総合診療研修プログラムの責任者連携協議会が開催されました

2023年6月23日、保健省会議室にて、第一回総合診療研修プログラムの責任者連携協議会が開催されました。

モンゴル保健省は、現在総合診療研修を全国で実施できるようにすることを目指しています。プロジェクトの前フェーズにおいて、オルホン県地域診断治療センタ−(RDTC)、またウランバートル市内のチンギルテイ地区病院にて、総合診療研修が開始され、その後国立第三病院、日本モンゴル病院、またオルホン以外の4つの地域診断治療センタ−(RDTC)においても、総合診療研修が開始されています。

今年は以上の病院に加えて、さらに10施設が総合診療研修の開始を希望しています。しかし、研修の運営方法などについて、具体的なガイダンスを必要としていました。またすでに研修を開始しているRDTCのなかには、適切なカンファレンスの実施方法や研修医の評価方法について、より深く理解したいとの要望もあがっていました。

そこで総合診療研修プログラムの責任者を集め、お互いの課題を共有し、先に総合診療研修を開始している施設から、そのほかの施設に情報の提供を行う場として、連携協議会を開催しました。2ヶ月以上前から、保健省・保健開発センタ〜の担当者と協議を重ね、この企画の準備を進めてきました。また事前に、参加する施設の方々へのニーズも聞き取り、そのニーズに応えることができるような構成にしました。

当日は、オンラインで参加した4施設を含め、50名近い参加者がありました。保健省政策企画局Oyuntsetseg局長、保健開発センターNaranutyaセンター長、JICAモンゴル事務所永井所員からの挨拶に始まり、保健省や保健開発センターの担当者から、卒後研修に関する政策、具体的に研修病院として求められる要件等について、説明がありました。

その後、井上チーフアドバイザーから、総合診療研修の目的、また研修の質を確保する意義などについて説明があり、オルホン県RDTC、日本モンゴル病院、国立第三病院の担当者から、研修ローテーションの作り方、回診やカンファレンスの実施方法、臨床の現場における適切な評価やフィードバックについて、具体的事例や動画を用いて説明がなされました。

最後には、講師となった各施設の研修担当者と参加者の間で、質疑応答の時間も設けられました。各施設、課題を抱えておられましたが、共通する課題も多く、一同に協議することで、一気に課題の解決を図ることができただけでなく、共にモンゴルの次世代の医師を育成することに対する、研修施設間での連帯意識も生まれたことを感じました。

各施設が抱える課題は、一回の会議だけで全て解決できるわけではありません。参加施設のなかには、すでにオルホン県RDTCに自主的に視察に出かけ、現場から学ぶことを計画している施設もありました。また今後も同様の連携会議を継続して実施し、共通の目標のもと、お互いの絆を強固なものにしていく機会を設けることも必要です。モンゴル国内の資源を最大限に活用し、共に成長することを目指し、プロジェクトも積極的に支援していきたいと考えています。

モンゴル国 医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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写真1. 会場で連携会議に参加した一同の集合写真

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写真2. オルホン県RDTCからの発表。研修ローテーションについて、具体的な事例を用いて解説がなされた。