【医師】オルホン県地域診断治療センターにおいてモデルとなる総合診療研修が実施されています
オルホン県地域診断治療センターでは、2018年以降、地域において地域に役立つ医療人材を育成する総合診療研修が実施されています。6年目になる今年は、2名の研修医を受け入れ、10月以降研修が実施されています。
現プロジェクトでは、実質的にオルホン県地域診断治療センターにおける総合診療研修を支援することは少なくなりました。それは、この病院で実施されている研修の完成度が高く、外部からの支援を得なくても、質の高い研修を実施することができているからです。
今回、短期専門家の視察に合わせてオルホン県地域診断治療センターを訪問した際、研修医たちのローテーション終了にあわせた振り返りの会が行われていました。研修医たちは、ローテーション期間中に自分たちが経験した事例をリストにし、事例から学んだことや反省点などを指導たちの前でプレゼンテーションしていました。また反省点を踏まえた今後の改善点についても自分たちで考察し、指導医たちからフィードバックを受けていました。
このような取り組みはプロジェクト側から指導したものではなく、指導医たちが自分たちでアイデアを出し、研修の質を高めるために取り入れたものです。日本でも同じような取り組みは多くはされていませんので、自分たちで自分たちの研修をより良いものにしようとする、オルホン県地域診断治療センターの先生たちの取り組みに感銘を受けました。
オルホン県地域診断治療センターにおける先進的な取り組みは、モンゴル独自のものではありますが、だからこそ、出来る限り多くの病院でも取り組むことができるようにする必要があります。そうすることで、モンゴル各地での研修の質の改善に役立ちます。現フェーズでは、総合診療研修後の質を改善しながら、全国に研修を広げる取り組みを行っていますが、オルホン県地域診断治療センターの指導医たちがその主役となることができるように、協議を続けたいと思います。
モンゴル国 医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明
写真. オルホン県地域診断治療センターにおいて勉強会を主導する研修医たち