【看護】古屋短期専門家による「看護師のクリニカルラダー開発」ワークショップが開催されました。
2023年12月11日~13日の3日間、保健開発センターにおいて古屋専門家による「看護師のクリニカルラダー開発」のためのワークショップが開催されました。
クリニカルラダーの開発に係る活動が始まって約4ヶ月が経ちます。これまで行政・教育・臨床・職能団体で活躍する看護職と共に、看護師のコンピテンシーを基盤としたラダーの開発に取り組んでいます。日本をはじめ諸外国の知見を活かしながら、ラダーの定義や習熟段階の設定、各レベルの目標について検討を重ねてきました。メンバーは、今回の短期専門家派遣に合わせて毎月1回の対面ワーキングと毎週1回のオンラインワーキングで活動を進めながらラダー表と活用ガイドのドラフトを準備しました。
ワークショップ初日は、これまでの取り組みについての発表が行われ、現時点での疑問や課題を専門家と共有した後、ラダーの定義や各レベルの目標、活用ガイドの具体的な内容について助言と指導を受けました。2日目、3日目は専門家の助言をもとに自分たちが作成した文書を丁寧に見直し、修正する作業を行いました。
モンゴルのすべての看護師に共通する標準化されたラダーを開発するには、この国の看護サービスの現状や看護師を取り巻く環境を捉えた上で5年先、10年先の看護を見据えながら到達目標を設定することが重要になります。そのため、開発されたモンゴルの看護師のコンピテンシーを深く理解し、一つ一つの言葉の意味や内容を吟味しながら、誰もが理解できるようシンプルに表現することにとても多くの時間を費やしました。しかし、このような途方もない作業もメンバーは誰一人妥協することなく、専門家の助言に真摯に耳を傾け、アイデアを共有し、議論し、自分たちの言葉で自分たちのクリニカルラダーを創り上げようと奮闘する姿を目の当たりにしたとき、この国の看護師の潜在的な力と看護の発展の可能性を強く感じました。
プロジェクトの期間も残り1年となりました。モンゴルの看護人材育成の基盤となるクリニカルラダーの開発・導入を実現し、看護師に求められる能力を効果的に習得できるよう全力で支援していきたいと考えています。
モンゴル国 医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト
看護専門家 山本容子
古屋専門家(前列右)とメンバー
活発に議論するメンバー
専門家指導のもと作成したコンピテンシーを基盤としたクリニカルラダー案