【看護】モデルサイトで新人看護師研修が修了しました。
モンゴルで初めての共通プログラムによる3ヶ月の新人看護師研修が修了し、オルホン県で13名の新人看護師、国立第2病院で42名の新人看護師が修了式を迎えました。
11月23日に行われたオルホン県の修了式には、保健開発センターのNarantuyaセンター長、同センターの人材開発部Otogonchimeg部長、県保健局Munkhtsetseg局長をはじめ、各施設の管理者、指導者、シニア看護師、ワーキングメンバーを含む約80名が参加しました。Narantuyaセンター長の挨拶後、研修の成果発表が行われ、研修前後の評価結果から新人看護師の能力向上や職場適応において新人看護師研修が効果的だったことが報告されました。その後、県保健局長から新人看護師への研修修了書と指導者への感謝状が授与され、新人看護師からは今後の抱負と決意が語られました。
また、12月6日に行われた国立第2病院の修了式には、保健省管轄看護専門委員会Khulan会長、保健開発センター人材開発部Otogonchimeg部長、看護・コメディカル担当Narantsetseg専門官、他機関の看護部長や看護専門官をはじめ、外来患者、指導者、シニア看護師を含む約100名が参加し、オープンイベント形式のユニークな修了式が行われました。新人看護師は、8つのブースに分かれて研修での学びを発表し、患者や家族からの質問にも積極的に答えながら、指導者やシニア看護師と共に一般の方々にも広く看護のことを伝えるための工夫がなされていました。新人看護師が患者や家族に説明する場面からは、看護師としての基本的な態度や倫理観を身につけたチームの一員としての頼もしい姿を垣間見ることができました。
研修に参加した新人看護師からは、指導者が丁寧に教えてくれたので基礎教育と臨床実践のギャップを感じることはなかった、研修を通して出来ることが増えていくことで自信を持って看護業務を行えるようになった、研修に参加できて本当に良かった等の意見を聞くことができました。また、指導者からは新人看護師の成長を目の当たりにしてこの研修の意義や重要性を改めて感じる、研修を通して指導することのやりがいや面白さを教えてもらった等の意見も聞かれました。今後改善すべき課題はあるものの卒後研修の基盤として新人看護師研修が大きな一歩を踏み出したことを改めて実感しました。
新人看護師研修は、看護専門職としての社会的責任や基本的な態度、価値観、倫理観を身につけ、科学的根拠に基づく安全な看護ケアが提供できるよう支援するためのもので、看護師としての第一歩を踏み出す新人看護師にとってとても重要な研修として位置づけられています。今後は、モデルサイトの取り組みを共有しながらモンゴルのすべての新人看護師に公平な研修機会が提供できるよう保健省や保健開発センター、関係機関が中心となり全国拡大できることを期待しています。
モンゴル国 医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト 看護専門家 山本容子
(オルホン県)
修了式で挨拶する保健開発センター長
研修修了証と記念品を手にする新人看護師
修了式に参加した新人看護師と関係者
県保健局が発行した新人看護師研修修了証
(国立第2病院)
修了式に参加した新人看護師と関係者
修了式の発表準備を行う新人看護師と指導者
参加した外来患者の質問に答える新人看護師
外来患者に研修での学びを発表する新人看護師