【医師】総合診療研修を開始する研修プログラム担当者を対象にカウンターパート研修が行われました
2024年5月20日~6月1日、総合診療研修プログラムを開始する承認を受けた5つの施設の研修プログラム担当者及び保健開発センターの行政官ら8名を迎え、カウンターパート研修が行われました。
今回のカウンターパート研修は、「臨床研修における指導医の役割を理解すること、また各地で開始される研修プログラムの質を維持しながら、共に成長できる方法を学ぶ」ことを目標として行われました。
この目標を達成するため、指導医教育や臨床研修プログラムの連携において成果をあげておられる、国内でも著名な方達に講師を務めていただき、まずは指導医の在り方、特に地域における研修医指導などについて、講義やグループディスカッションを通して理解を深めました。
その後都会の高次医療機関、地域の病院、また診療所や訪問診療の現場を視察させていただき、研修医と行動を共にすることで、研修医たちが日々臨床の現場でどのように指導を受けているのか、また研修医対象の勉強会はどのようなテーマで、どのように運営されているのか、詳細に見せていただきました。
そのなかで、研修員たちから「指導医だけが研修医指導に取り組むのではなく、研修医の少し先輩も指導に加わること(屋根瓦方式)が先輩研修医の成長にもつながる」「病院全体で研修医の育成に取り組むことで、病院全体の診療の質が向上する」、さらに「研修病院同士が連携することで、地域全体の診療の質の向上につながる」などの発言もあり、研修目標がしっかりと達成されていることがわかりました。
それだけでなく、「自分たちが診療する患者さんを中心に据え、病気を治すことではなく、社会的背景も含めた患者さん全体をより良い状態に導くことが大切」「患者さんから学ぶスタイルで研修を進めることが効果的であることがわかった」などの発言が聞かれ、研修目標以上に学びを深められたことも伝わってきました。
帰国前のアクションプランの発表では、学びをどのように周りに広げていくか、総合診療研修のなかで研修医指導に活かしていくか、各研修員が決意を語りました。帰国後研修員たちは、研修医指導に関わっていくことになります。プロジェクトでは、残された期間、この総合診療研修がより持続可能な形で国内に広がり、モンゴルの地域における医療のさらなる改善に貢献できるよう、モンゴルの関係者と連携を深め、支援をしたいと考えています。
モンゴル国 医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明
外来診療における研修医指導の様子を視察(湘南鎌倉総合病院にて)
病棟における研修医指導の様子を視察(山形県新庄徳洲会病院にて)