【活動報告】【活動報告2】2022年前期・ジョブコーチ就労支援サービスのパイロットプロジェクト開始

1.2022年前期・ジョブコーチ就労支援サービスのパイロットプロジェクト開始

本年は2月から活動を開始し、6月30日の第三回JCC(合同調整委員会)をもって2022年前期のDPUB2活動を無事に終了しました。前期の活動ハイライトは「ジョブコーチ就労支援サービスのパイロットプロジェクト」が開始されたことです。

パイロットプロジェクトを実施するにあたり、DPUB2は次の3つの活動に注力しました。1)ジョブコーチの人材育成、2)助成金制度の構築、3)企業啓発活動です。

1)ジョブコーチの人材育成

ジョブコーチ就労支援サービスを開始するには、ジョブコーチの育成が最も重要となります。ただ、本サービスはモンゴルで今年から初めて提供されること、また、ジョブコーチがまだ一人も存在しないことから、最初から専門的なジョブコーチを育成するのではなく、まずは入門セミナーを開催し、広くジョブコーチの概念やサービスを理解してもらうことから活動を開始しました。

その結果、障害者支援のNGOや当事者団体の関係者など、将来的にジョブコーチとして活動したいという意欲のある方々90人がジョブコーチ入門セミナーに参加してくれました。この90人は、まだ専門的なジョブコーチ就労支援サービスを提供できるわけではありません。しかし、ジョブコーチの基礎を理解し、基本的なサービスの内容も理解しています。したがって、まず彼らが基礎的なサービスをパイロットプロジェクトを通して提供し、現時点のサービスの有効性や課題を把握し、解決策を考えていくことが期待されています。

2)助成金制度の構築

次に、ジョブコーチがサービスを提供するにあたっては、ボランティアで活動してもらうわけにはいきません。優良なサービスであっても、持続性がなければ人材育成の意味もなくなります。そこで、ジョブコーチ就労支援サービスを提供したジョブコーチには、政府から助成金を提供することになったのですが、助成金制度を規定する規則はありませんでした。

こうした背景を踏まえ、DPUB2は労働社会保障省と協力し、「ジョブコーチ就労支援サービスを規制するガイドライン」を作成しました。本ガイドラインには、ジョブコーチの定義やジョブコーチ就労支援サービスの内容、助成金を利用するための手順などが記載されています。本ガイドラインは大臣令として本年5月31日に承認され、ジョブコーチ就労支援サービスを提供するための土台となっています。

3)企業啓発活動

最後に、ジョブコーチが育成され、助成金制度が構築されても、実際に障害者を雇用する企業が障害者雇用に興味を示さず、また「障害者は働けない」と考えていては、障害者雇用は促進されません。そこでDPUB2では、すでにモンゴルで障害者を雇用している企業の事例を優良事例として発信することを開始しました。モンゴルのウェブメディアであるIKONを利用し、最初は「M-martスーパーマーケット」、次に「CUコンビニエンスストア」における障害者雇用事例を、障害者当事者、企業、家族の視点から記事にまとめています。両記事とも好評で、850以上のLIKEを頂きました。

DPUB2では、今後もモンゴルの障害者雇用優良事例を発信し続け、いずれはジョブコーチの取り組みによって生まれた事例も紹介していくつもりです。

また、企業啓発セミナーを開催し、障害者雇用のメリットや具体的な方法、社会的責任、法定雇用率や納付金制度について、企業の方に説明しました。モンゴルの障害者雇用に対する法定雇用率は4%ですが、あまり守られておらず、また納付金を収める企業も非常に少ないのが現状です。そこで、障害者雇用を企業に押し付けるのではなく、政府やNGOと企業を支援し、連携して障害者雇用を促進していくこと、その上で雇用ができない企業は納付金を支払う必要があることなどを、セミナーを通して丁寧にお伝えしました。

こうした中、セミナーに参加した企業の多くが、障害者雇用の必要性を感じながらも、これまで政府からの支援もなく、海外事例も知らず、自助努力で雇用するか、雇用を諦めるしかなかった現状が把握できました。参加企業の多くがジョブコーチ就労支援サービスに興味を示し、中には自社内にジョブコーチを配置することを検討し始めた企業もあります。企業啓発セミナーはまだ2回しか実施されていませんが、大きな可能性を感じることができました。

2.2022年後期の活動予定

2022年後期は、ジョブコーチ就労支援サービスの提供が実際に始まります。多くの課題や問題が生じると思いますが、モンゴル政府、就労支援団体、ジョブコーチと連携し、DPUB2として解決方法を考えていく必要があるでしょう。ジョブコーチの人材育成をさらに進めるとともに、企業啓発にも継続して力を入れ、優良事例を発信していきます。また、広報にもさらに力を入れ、メディアを通して活動を発信していきます。多くの人が障害者雇用の重要性に気づき、ジョブコーチ就労支援サービスを利用してくれるようになることを願っています。

企業啓発セミナー:障害理解推進体験研修

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企業啓発セミナー:講義中の様子

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第二回ジョブコーチ入門セミナー修了式

第二回ジョブコーチ入門セミナー修了式

ジョブコーチ入門セミナー:オンラインで講義する日本の専門家

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企業訪問の様子

企業訪問の様子