アカシアの植林を実施しました

5月23日のプロジェクトニュースでは、ホアビン省で支援している森林所有者グループを対象にしたスタディツアーを実施したと報告しましたが、当プロジェクトは同グループに対してスタディツアーと並行してアカシアの植林を支援しており、その近況を報告します。

アカシアは外来樹種ですが、様々な環境下で生育することができ、木材の用途が多様で、育て方も比較的簡単なためベトナムで広く植林されています。しかし、植林に使用される苗木は生産元の不明なものだったり、品質が悪いものも多く、植林後に枯れたり、病気や強風などに弱い森林ができることが少なくありません。その結果、森林所有者は健全な森林と比べて、森林から得られる利益が少なくなるという問題があります。

そこで当プロジェクトは技術協力の観点から、上記の一般的なアカシア植林を支援するのではなく、組織培養によって生産された生産元の明確な、病気に強く品質の高いアカシアハイブリッド(※)という種類の苗木を使用した植林を支援することにしました。収穫するまでの期間は通常の5年程度より長い期間に設定し、通常より太く価格の高い木材を生産することを計画しています。それによって森林所有者の収益を増やし、自然生態系に配慮した持続的森林管理を実践することにしています。植林に先立ち、4月上旬には森林所有者を対象に植林地の準備、苗木の植え方、育て方、肥料の正しい使い方などの研修も実施しました。

4月21日に約24000本の苗木が森林所有者に配布され、約12ヘクタールの土地に植林されました。今年のベトナムは雨期に入ったにもかかわらず、暑く雨が少ないので植えたばかりの苗木にとっては厳しい環境でしたが、森林所有者が水やりをしっかりしたおかげで、2週間の猛暑の後でも苗木の生存率は96%と非常に高い数値でした。

今後、アカシアハイブリッドの苗木が順調に健全な森林へと成長し、持続的森林管理が有益であることが地域で証明され、この持続的森林管理の取り組みが周辺地域に広がっていくことが期待されます。

※アカシア・マンギウムとアカシア・アウリカリフォルミスの交雑種

トラックで運ばれてきた苗木

トラックで運ばれてきた苗木

苗木を受け取った村人

苗木を受け取った村人

アカシアハイブリッドの苗木

アカシアハイブリッドの苗木

苗木の成長を見守る村人

苗木の成長を見守る村人