プロジェクトのコーディネーターが活躍:草の根・人間の安全保障無償資金協力で実施したトゥエンクアン省の生活用水システムが完成しました

プロジェクトでは、通常のプロジェクト活動以外にも、在ベトナム日本国大使館と協力の下、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を通じた地域住民の生活向上に係る活動のための側面支援もおこなっています。2024年1月26日には、プロジェクトのカウンターパートである農業農村開発省森林プロジェクト管理委員会(MBFPs)やラムビン郡副人民委員長も出席の上、トゥエンクアン省ラムビン郡コックファット村に生活用水システム(取水池1基、濾過・加圧タンク1基、取水管・水道管全長約2.5キロメートル)を整備する計画の完工式がおこなわれました。

同村の住民は、ナハン水力発電ダム建設の際に移住してきた少数民族で占められており、9割以上がザオ族、残りがタイ族となっています。村には、2003年に取水池が建設されましたが、取水池及び供給用パイプは老朽化が進み使用ができなくなっていました。取水池内にある飲用可能な湧泉は、村人の住む居住地からは1.5キロメートルから3キロメートルほど離れており、水汲みが困難であるために、住民は主にその下流域から竹や簡易パイプなどを使って生活用水を確保していました。しかし、同地域の水は、周辺の農地からの殺虫剤や農薬、家畜の排泄物等により汚染されており、住民は水を介した病気への感染の危険性にさらされ、その結果、毎年住民の五分の三が不衛生な水が原因とされる感染症にかかっていました。村内の小学校、幼稚園及び文化会館で使用するための生活用水も同様の状態であり、同地域からの水を、学校や文化会館が自ら設置したタンクに溜めて使用している状況でした。

今回、この生活用水システムが完成したことによって、同村の住民並びに小学校、幼稚園及び文化会館の利用者に衛生的な生活用水を提供することが可能となりました。これにより、今後、地域の衛生環境と教育環境の向上が期待されています。今回供与された「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の案件形成と実施には、各省にいる本プロジェクトのスタッフが大使館との懸け橋として大きく関わっています。プロジェクトでは、本来予定されている活動はもちろん、引き続き各省と密接に情報共有、協力しながら、地域に裨益する活動を続けていく予定です。

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2003年に住民によって建設された取水池

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生活用水システムが設置されたコックファット小学校

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整備された新しい濾過・加圧タンク

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完工式の様子

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濾過された水を嬉しそうに放水するラムビン郡副人民委員長

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今後、設置されたメーターを基準に住民が維持費を支払う