プロジェクトのコーディネーターが活躍:草の根・人間の安全保障無償資金協力「ソンラ省ダードー小中学校寄宿舎建設計画」の署名式典が行われました

プロジェクトでは、通常のプロジェクト活動以外にも、在ベトナム日本国大使館と協力の下、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を通じた地域住民の生活向上に係る活動のための側面支援もおこなっています。2024年3月5日には、プロジェクトのカウンターパートである農業農村開発省森林プロジェクト管理委員会(MBFPs)やフーイエン郡人民委員長も出席の上、ソンラ省ダードー小中学校の改善計画の署名式典が在ベトナム日本国大使館にて行われました。この計画では、同学校敷地内に宿舎1棟5室(135平米、コンクリート造)及び調理室・食堂1棟(110平米、コンクリート造)を建設し、ベッド45台を整備する予定となっています。

ダードー村はソンラ省フーイエン郡内に位置する山間部の村です。フーイエン郡は山岳に囲まれた峻険な地形と郡内を北西から南東に貫くダー川に阻まれ、郡内の交通が十分に整備されていません。なかでも、ダードー小中学校は、郡内の交通インフラが未整備で通学困難な地域が多数存在することから、村内の4か所に分校が設けられ、生徒達の寄宿舎での生活が不可欠となっています。現在、同校及び分校には寄宿生活する必要がある生徒達が約110人おり、既存宿舎棟1棟には、小中学生62人が居住していますが、全員を収容できないため、6人は同校敷地内に設置された仮設宿舎で生活しており、残りの小学生44人は村内各所の分校に設置された仮設宿舎での生活を余儀なくされています。同村は気象条件が非常に厳しく、乾季には40℃を超える高温になり、雨季には宿舎の雨漏りが発生するなど、生活環境は劣悪で、児童の健康状態に悪影響を及ぼしかねない状況となっています。あわせて、既存の宿舎では、多くの生徒がベッドを他の生徒と共有せざるをえない状況となっています。さらに台所と食堂は仮設のトタン波板で造られており、調理・食事の際に不衛生な状態となっています。

今回、新たに宿舎及び調理室・食堂1棟が建設され、ベッド45台が整備されることにより、初中等教育環境の改善を図り、もって児童の教育の質の向上に寄与することが期待されています。今回供与された「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の案件形成と実施には、各省にいる本プロジェクトのスタッフが大使館との懸け橋として大きく関わっています。プロジェクトでは、本来予定されている活動はもちろん、引き続き各省と密接に情報共有、協力しながら、地域に裨益する活動を続けていく予定です。

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スペース不足で窓際にベッドが設置されている既存の宿舎/宿舎内でベッドが共有されている/既存のキッチン

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署名式での集合写真:中央(左) フーイエン郡人民委員長、中央(右) 山田大使