プロジェクトニュース Vol.13
タイ・ラオス間の相互訪問実施
病院の保健医療サービスの質改善及び財務管理改善プロジェクトは、昨年度実施したタイ・ラオス間の相互訪問(第3国研修)のフォローアップとして、タイ国家医療保障機構(NHSO)第10支部と協働の上、保健医療サービス質改善(患者安全を含む)に関する第3国研修を6月18~20日に、病院管理(財務管理、健康保険管理を含む)に関する相互訪問を7月8日~11日にラオス・チャンパサック県およびタイ・ウボンラチャタニにて行いました。プロジェクトがこれまで実施してきたラオス南部4県での継続的質改善活動及び病院管理改善活動をさらに進めるための取組について議論し、あわせてラオス・タイ間での今後のさらなる協働の可能性について検討しました。
タイ ウボンラチャタニ県・Phibun Mangsahan病院での集合写真 (成果1)
ラオス チャンパサック県保健局での集合写真(成果2)
タイ ウボンラチャタニ県の会議室での集合写真(成果2)
タイ ウボンラチャタニ県・Detudom Prince Hospitalでの集合写真 (成果2)
保健医療サービスの質改善に関する研修(成果1)
成果1では、保健省治療リハビリテーション局(DHR)の代表2名を筆頭に、南部4県から代表者4名ずつ16名、日本人専門家3名、ラオス人プロジェクトスタッフ2名の合計23名がウボンラチャタニ県での第3国研修に参加しました。ウボンラチャタニ県及び近隣の県で規模の異なる2つの郡病院を訪問し、講義や病棟見学を通じて、病院の保健医療サービス質改善の手法や実施、病院内での動機付けについて、両国間の状況について意見交換し、理解を深めました。同時に、DHR及びラオス南部4県の代表者は、これまでにプロジェクトで実施してきた継続的質改善活動等の取組を進めるために、タイのシステムから得た内容を自分たちの組織へどのように適応させるかを検討しました。
タイ ウボンラチャタニ県・Phibun Mangsahan Hospitalでの講義
ラオスからの参加者は、病院認証、患者ケアチーム、リスク管理、感染管理などについて学んだ
タイ アムナートチャルーン県・Senangkhanikhom Hospitalの病院視察
ラオスからの参加者は病院内の電子システムに関心を寄せた
タイ アムナートチャルーン県・Senangkhanikhom Hospitalでの病院視察
ラオスからの参加者は、病院スタッフに積極的に質問を投げかけていた
NHSOによるタイの健康保険や医療体制に関する講義
両国の質改善の取組について、意見交換により理解を深めた
病院管理(健康保険基金管理、会計/病院財務管理)に関する相互訪問(成果2)
成果2では、ラオス側は、国家健康保険局(NHIB)及び保健省計画財務局(DOPF)の代表者6名を筆頭に、南部4県から代表者5名ずつ20名、日本人専門家2名、ラオス人プロジェクトスタッフ3名の合計31名がラオス・チャンパサック県とタイ・ウボンラチャタニ県で実施した相互訪問に参加しました。相互訪問では、タイ側のNHSO代表者がラオス側参加者とともにまずはラオス・チャンパサック県の郡病院、保健センターを訪問し、その後全員でタイ・ウボンラチャタニ県に移動し、ウボンラチャタニ県の郡病院への訪問や会議室での研修・議論を行いました。これらを通じて、両国間の健康保険制度、会計/病院財務管理の実態、関連するシステムについて、共通点や相違点、お互いに取り入れることが可能な点などについて議論を行いました。ラオス側では、保健医療サービスの質改善活動と協働して取り組んでいくこと、関連するシステムを効率的に実施してくことを議論しました。
チャンパサック県保健局にてラオス・タイの社会保障制度に関する相互の講義
ラオス チャンパサック県・パクソン郡病院への訪問
ラオス チャンパサック県・パクソン郡病院病棟見学
郡病院での取組について、タイ側参加者の積極的な質問とともに質疑応答をおこなった
Etu保健センター訪問(ラオス チャンパサック県・パクソン郡)
ヘルスセンターの現状についてタイ側参加者に説明するセンタースタッフ
タイの健康保険制度や会計/病院財務管理に関する講義
ラオス・タイの参加者間で活発な議論が行われた
タイ ウボンラチャタニ県・Detudom Prince Hospital視察ラオスからの参加者は院内の電子化されたシステムについて多くのことを学んだ。