◎第2回本邦研修を開催しました(2023年7月17日~28日)
2023年7月17日~7月28日の期間にて、「日本の安全作物振興の実務」をテーマとした第2回本邦研修を開催し、中央政府及び各地方政府のカウンターパート(CPMU(Central Project Management Unit)、PPMU(Provincial Project Management Unit))の代表者計18名が訪日しました。
本研修の目的は、①日本で実践されている安全作物振興に向けたGAP認証、農薬や施肥基準の運用、残留農薬検査、産地形成、流通改善、マーケティング強化等の実務レベルでの取組みを理解すること、②実務の改善に繋がる効果的で実現性の高いCPMUとPPMUの行動計画(アクションプラン)作成にかかるアイデアを得ることです。JICA九州を拠点として、農業普及や食品安全に係る公的機関(福岡県農林水産部食の安全・地産地消課、熊本県農林水産部流通アグリビジネス課、生産経営・農業技術課)、安全作物の生産者(GAP認証農場、生産部会)、安全作物にかかるフードバリューチェーン関係者(JA全農ふくれん、福岡市中央卸売市場)などを訪問しました。
研修参加者は、講義や視察を通して県レベルの農業普及や食品安全に係る制度や取組み、普及員及び農協の役割や現場での活動、安全作物生産に係る日本の技術などを幅広く学びました。研修参加者の研修内容への関心は非常に高く、質疑応答では講師や農家の方々に多くの質問が寄せられ活発な意見交換が行われました。
研修最終日には、研修リーダーである国家農業普及センター農作物・林業普及課課長のHung氏およびバクニン省、ナムディン省、フンエン省の代表者より、本研修で得られた気づきとアクションプランの発表が行われました。JICA経済開発部の海外氏は、発表されたアクションプランにGAPに沿った栽培技術やトレーサビリティ、品質管理の指導、学校での食育支援など、日本の事例を参考にした具体的な活動が盛り込まれていることを高く評価し、帰国後に研修参加者が中心となってこれらアクションプランの実現を期待すると講評しました。
プロジェクトでは、本研修で作成されたCPMUとPPMUのアクションプランを、安全作物の更なる振興に向けた現場活動の改善に活かす予定です。
福岡県GAPについての講義
(福岡県庁)
福岡市中央卸売市場の食品衛生検査所の見学
(ベジフルスタジアム)
天敵利用技術を活用したなす栽培の見学
(JAみなみ筑後瀬高なす生産部会)
有機肥料や完熟堆肥を生産する堆肥舎の見学
(四位農園)
熊本県の産地形成・ブランド化と農業情報サイトについての講義
(熊本県庁)
修了式