◎PPMU会議を開催しました(2023年9月25日~10月2日)
プロジェクトの対象となる1市6省(ハノイ市、フンエン省、ハナム省、ナムディン省、バクニン省、ハイズオン省、ソンラ省)において、PPMU(Provincial Project Management Unit)活動進捗レビューと活動計画の確認を目的として、PPMU会議を開催しました。
PPMU会議では、第1バッチで選ばれた18の対象農協への研修や市場調査等の進捗の確認と活動のモニタリング方法、今後第2バッチにて対象とする21の農協選定クライテリアの確認、来年度活動のための予算確保について協議しました。また、PPMUメンバーから、本邦研修参加を通じた気づきと学び、今後の活動計画の発表が行われました。
参加したPPMUからは、第1バッチの活動を振り返り、「市場需要に基づいた生産計画の策定など、理論的な活動アプローチであり、今後も継続・普及したい。(ハノイPPMU)」、「プロジェクト活動は農協にとって大変有益であり、今後も対象農協を巻き込んだイベントや活動を計画中である。(ナムディンPPMU)」「農家に適切かつ役に立つ技術研修であり、座学と実践を組み合わせたカリキュラムはPPMUとしても普及しやすい。(フンエンPPMU)」など、活動の手ごたえを感じる前向きな意見が多く出されました。
その一方でPPMUからは、活動継続にあたっていくつかの課題も挙げられました。たとえば、「野菜栽培農家は忙しくプロジェクトで企画した研修や視察に全て出席することが叶わなかった。また農家はマーケティング能力が弱く、学んだ技術を理解し実践するには時間を要する。(フンエンPPMU)」といったプロジェクトの実施方法や効果発現に関する課題が提起されました。もっとも多くコメントが寄せられた課題は予算についてで、「省の面積は広く、PPMU職員が対象農協を毎週訪問することは物理的に難しい。対象郡やコミューンレベルの農業普及員の動員が課題だが、彼らの手当を賄う十分な予算がないため活動に参加させることが出来ない。(ソンラPPMU)」、「プロジェクト活動の年間予算は既に確定しており充分ではない。PPMUの予算負担割合を増やすには既存プログラムとの連携を模索しなければならない。(ナムディンPPMU)」、「PPMUが来年度以降の予算負担を増やすためには、農業農村開発省からの公式文書が必要である。(ハイズオンPPMU)」のように、通常活動予算の動員は多くの省において課題となっています。
こうした状況に鑑み、プロジェクトの実施機関であるNAEC(National Agriculture Extension Center、国家農業普及センター)のLe Quoc Thanh局長は、PPMUに対し改めて、「本プロジェクトの趣旨と目的を再確認すること。本プロジェクトは、機材・施設供与するものではなく技術協力であり、研修等を通じた能力強化を目的としている。」と強調しました。その上で、「これまでの活動のレビューを行うこと。既存の農業開発プログラムとの連携や協力体制を検討すること。今後の活動計画を立案し、PPMUの活動予算を確保するように働きかけること。必要であれば、NAECから関係部局に対して予算措置を講じる依頼文書の発出やNAEC予算からの補填も前向きに検討する。」と、PPMUによる通常活動予算の確保を強く呼びかけました。
なお、バクニン省では「今年からすでに通常予算とカウンターパート予算を組み合わせてプロジェクト活動に使っている。NAECの予算を活用してさらにプロジェクト活動を充実させたい。(バクニンPPMU)」と、通常予算の確保がすでに進められています。持続的な普及体制の構築に向けて、JICA専門家チームはCPMU(Central Project Management Unit)と協力し、バクニン省の事例を参考に、PPMUに対する予算確保に向けた働きかけを進めていきます。
NAEC局長の挨拶(PPMU代表による会議)
PPMU会議の様子(ハノイ市)
PPMU会議の様子(ソンラ省)
PPMU会議の様子(バクニン省)
PPMU会議の様子(ナムディン省)
PPMU会議の様子(ハナム省)
PPMU会議の様子(ハイズオン省)
PPMU会議の様子(フンエン省)