PPMU会議を開催しました(2024年5月31日~6月10日)
2022年5月に開始されたプロジェクトは、この5月で丸2年が経過し、残り2年となりました。活動の3年目を迎えるにあたりこれまでのPPMU(Provincial Project Management Unit)活動進捗レビューと定期モニタリング実施方法、今後の活動計画の確認と協議を主旨としたPPMU会議を各対象省で開催しました。
PPMU会議では、対象農協へのTOF研修や、SHEPアプローチに基づく市場調査と栽培計画、栽培や食品安全、マーケティングに関する技術指導の進捗についてPPMUメンバーから報告が行われたのち、今後の活動継続と更なる普及拡大に向けた人員体制、予算計画について協議を行いました。また、各対象省のPPMUから、以下のような取組がグッドプラクティスとして紹介されました。
(1)広範なリソースから予算を確保
ハイズオン省PPMUは、カウンターパート予算に加え、省普及センターの通常活動予算やNAEC(National Agriculture Extension Center:国家農業普及センター)から割り当てられた研修費用など広範なリソースから予算を確保し、プロジェクト活動を進めています。
(2)市場調査から新たな市場を開拓
ハナム省PPMUの報告によると、Nguyen Uy農協は生産したライチを安全作物販売店に販売し新たな市場を開拓するとともに、PPMUサポートのもと市場調査活動を通じて需要を把握し、生産能力に適した生産計画を作成しました。また市場需要に応えるべく、ライチの接ぎ木と剪定技術などプロジェクト活動を通じて新たな技術の習得にも意欲的に取り組んでいます。
(3)市場ニーズに基づく栽培技術の習得
ハイズン省の対象農協ではプロジェクト活動を通じて学んだコンポストや野菜の新品種導入に積極的に取り組んでいます。特にBach Dang農協では電照栽培を導入することでドラゴンフルーツの収穫時期を調整し、市場流通量が減るオフシーズンに販売することで通常より高値での取引を可能としました。
(4)SHEPアプローチの広報と普及
ハノイ市PPMUは、SHEP アプローチ(SHEP Approach | What We Do - JICA)に沿って、対象農協の市場調査、栽培作物の選定、栽培計画の見直し、必要な栽培技術の習得支援活動の経験をもとに、食品安全/GAPとマーケティング/共同販売に関するリーフレットを7,000部作成し、プロジェクト活動をより多くの普及員や農協に広める活動を自主的に行いました。今年はSHEP アプローチを紹介するビデオ作成を計画しています。
NAEC研修部門長兼CPMUプロジェクトコーディネーターのNguyen Viet Khoa氏は、対象農協が自ら市場やバイヤーの情報を入手し、市場ニーズに基いて栽培技術を習得するアプローチは農協の販売力強化に有効であり、プロジェクト活動を持続的に普及していくためにも、各省の農業普及センターの通常活動予算やNAECが各省へ配分する研修予算を活用することをPPMUに提案しました。
2025年は、各省が予算を確保しプロジェクト活動を進めることになります。今回のPPMU会議を通じて、各省はカウンターパート予算に加えて農業普及センターの通常予算やNAECが配分する予算を確保し、プロジェクトで導入するアプローチや研修マテリアルを活用することを改めて確認しました。プロジェクトでは各省が持続的に活動を展開していけるよう、今後もPPMUによる活動実施を支援するとともに、バリューチェーン強化に向けた関係機関との連携強化を推進していきます。
PPMUメンバーからの活動報告 (ハノイPPMU)
PPMUメンバーからの活動報告 (ハナムPPMU)
PPMU会議の様子(ハイズオンPPMU)
PPMU会議の様子(ソンラPPMU)
CPMUメンバーから発言の様子(バクニンPPMU)
ハノイPPMUが自主的に農家向けに作成したリーフレット