ソンラ省にて「野菜や果物の安全な生産に対する意識向上」のためのイベントを開催しました(2025年9月9日)
NAEC(National Agriculture Extension Center,国家農業普及センター)とソンラ省農業・環境局は、「野菜や果物の安全な生産に対する意識向上」を目的としたセミナーを開催しました。本セミナーは、JICAプロジェクトの活動を通じた安全作物栽培の普及とバリューチェーン強化を図ることを主旨とし、プロジェクト対象地域の普及員、農家、加工企業の代表など約100名が参加しました。ベトナム地方行政の再編後、プロジェクトの対象省のPPMU(Provincial Project Management Unit) ※ が一堂に会する初めての機会となりました。
イベントでは、CPMU(Central Project Management Unit)からプロジェクトの概要、SHEPアプローチの紹介、および活動進捗の報告が行われた後、プロジェクト対象農協であるソンラ省のYen Chauマンゴー農協が、バイヤーとのコミュニケーション活動や栽培技術の適用結果についてプレゼンテーションを行いました。続いて、参加企業を代表し、果物・野菜の加工企業であるDOVECO社から、企業紹介とNAECや栽培農家との協力状況についての説明がありました。
意見交換・協議のセッションでは、JICAチームからプロジェクトの進捗状況とSHEPアプローチの重要性が改めて示され、対象農協からは、プロジェクト活動による生産性や収益性向上の成果が共有されました。会場参加者からは、 “市場や消費者の需要動向の把握”や“生産者の安全性に対する意識変革(啓発活動の重要性)”といった意見が繰り返し寄せられ、今後も農業普及に係る通常活動としてプロジェクト活動を継続していくことが確認されました。
NAECのLe Quoc Thanh局長はイベントを総括し、次のように述べました。「JICAプロジェクトでは、農産物の品質向上や生産効率の改善にとどまらず、生産者の意識変革にもつながっています。農家は単に生産物を販売するのではなく、あらかじめ市場を的確に把握することで、長期的な成果を上げることができます。私たちはプロフェッショナルとしての意識を持ち、生産から消費に至るまでのバリューチェーンを構築していかなければなりません。」
今回のイベントは、プロジェクト関係者による経験共有や、プロジェクト終了後の活動の持続性の確認、安全作物の普及やバリューチェーン強化に向けた連携へとつながる機会となりました。プロジェクトは最終年度に入りましたが、これまでの成果を振り返りつつ、ベトナム農業の持続的な発展に貢献できる活動を引き続き展開していきます。
※2025年7月に施工された地方行政再編により、プロジェクト対象地域は2市4省に変更された。対象地域:ハノイ市、ハイフォン市(旧ハイズオン省と合併)、フンイエン省(旧タイビン省と合併)、ニンビン省(旧ハナム省と旧ナムディン省と合併)、バクニン省(旧バクザン省と合併)、ソンラ省
イベント会場には約100名が出席
出席者の様子
プロジェクト対象農協(バクニン省)の代表から発言
プロジェクト対象農協(ハイフォン市)の代表から発言
JICAチームから発言
NAEC局長がチェアを勤めた
写真引用元: