PPMU会議を開催しました（2025年1月8日～1月15日）

プロジェクトの対象地域１市6省（ハノイ市、フンエン省、ハナム省、ナムディン省、バクニン省、ハイズオン省、ソンラ省）において、PPMU（Provincial Project Management Unit）会議を開催しました。今回の会議では、2024年9月7日に発生した台風11号（アジア名：ヤギ）の被害復旧支援の進捗、2025年の活動計画および予算確保状況について協議しました。

PPMUとJICA専門家チームは緊急現地調査を通じて台風11号による被害状況の確認を行い、CPMU（Central Project Management Unit）とともに対象農協の復旧支援計画をとりまとめました。復旧計画に基づき、10月にはCPMUによるC/P予算により、JICA専門家チーム派遣の講師が野菜・果樹の生産栽培活動再開のための技術研修を実施しました。研修後はPPMUが主体となり対象農協に対する技術指導とモニタリングを進めました。こうした活動の結果、PPMUから以下の報告がありました。

プロジェクト活動の持続性を高めるため、2024年は研修開催や市場調査など現場活動にかかる費用の半分をPPMUが負担し、2025年は活動費用の全額をPPMUが負担することをプロジェクトとC/Pで合意しました。これら現場活動費はC/P予算だけでは不充分であり、通常活動にかかる予算を活用することが重要です。しかしながら、通常予算を使ってプロジェクト活動を行うことについてPPMUの理解と予算確保を促すことが難しく、2024年は1市6省のうちハノイ市とハイズオン省を除く5省では通常予算を確保することができませんでした。そこでJICA専門家チームは、PPMUに対する活動計画策定ガイドラインを見直すとともに、プロジェクトが作成した研修教材の活用を案内することにより、PPMUへの理解促進を図りました。その結果、1市6省全てのPPMUがC/P予算と通常予算を確保し、プロジェクト成果ごとに以下の活動計画概要を立てました。

TOT研修（Viet-SHEP基本アプローチ）：4省で通常予算を確保、3省はCPMUを通じて国家農業普及センター（National Agriculture Extension Center: NAEC）に予算申請して実施。

TOF研修（市場調査、マーケティング、食品安全/農協マネジメント、栽培）：1市6省全てのPPMUがC/P予算あるいは通常予算を確保し実施。

ハノイ市とフンエン省はC/P予算あるいは通常予算を用いて新たに1～2農協を選定してモデル農協の構築に向けた活動を実施する計画。その他5省は活動予算の確保が難しかったものの、TOF研修を行う農協を対象に、PPMUメンバーや郡レベル、コミューンレベルの普及員を動員し、現場での技術ガイダンスやモニタリングを実施する計画。また、NAECの予算配分次第では、先進農協の視察研修も活動に加える計画。

安全作物キャンペーンや一村一品関連のトレードフェアへの出展参加や、省農業普及センター主催のイベント（ハノイ市では都市農業普及にかかるトークショーを実施予定）を企画し、関係者の巻き込みを図る活動を計画。

2025年のPPMU活動において、計画通りの活動実施と予算執行のためにもCPMUとの連携が不可欠です。特に一部の活動では、CPMU/NAECから農業技術普及に関する研修実施のための予算が配分されることが前提であるため、CPMUとPPMU間のコミュニケーションを促進する必要があります。JICA専門家チームは、持続的な普及体制の構築に向けてCPMUと協力し、PPMUの活動に必要な予算確保状況、実施状況を継続的にモニタリングし、PPMUの円滑な活動実施を今後もサポートします。