ドンドゴビ県で調理員を対象とした研修を実施しました!
「学校給食導入支援プロジェクト」では、2025年6月23日、24日にドンドゴビ県でパイロット校以外の栄養士、調理員を主な対象とした研修を実施しました。これはドンドゴビ県教育局からの要望により開催された研修で、県内の幼稚園、小学校の栄養士、調理員ら計12名が参加しました。
研修ではまず、栄養士の業務や学校給食の実施体制・関係者、給食管理PDCAの流れ、献立改善の必要性、カラーシステムを用いた献立作成の基本、地場産野菜を給食に利用する意義、地場産野菜の調達の仕組みや留意点等の講義を行いました。その後の演習では、国の検収簿を使った自校のPDCA評価、給食新聞の作成、地域で生産されている野菜のリストアップ、新献立ブックとリストアップした地場産野菜を利用した1週間分の給食献立作成、食育計画の作成を行いましたが、どの参加者も、他校の参加者と相談しながら積極的に参加していました。
2日目の演習後の発表ではリストアップした地場産野菜を使った栄養バランスの良い献立を各自で発表しましたが、どの参加者も地場産野菜を上手に組み込んだ栄養バランスの整った献立を作成できていました。一部のソム(村)の参加者からは、ホウレン草やチンゲン菜は見たことがないとの話もありましたが、プロジェクト専門家から、傷みやすい葉野菜は買い手が確保されない場合に生産されない傾向があるので、生産者に計画的に買い取りを希望することを伝えるとよい、とのアドバイスがありました。
また、県教育局の給食担当官から、今後は計画的に食育を実施するために各校で年間食育計画を作成してほしいとの話があり、学年度前半の食育計画の作成演習も行いました。すでに毎年作成しているパイロット校の栄養士による説明の後、グループで作成し、発表しました。食育目標は「水を飲む習慣をつける」「朝ご飯を食べる」「野菜を食べる量を増やす」など様々でしたが、どのグループも最初に現状調査をし、その後介入活動、最後に効果を測って比較し、次につなげるというPDCAサイクルを取り入れた具体的な良い計画を立てられていました。
ドンドゴビ県では学校給食、食育を通じた子どもの栄養・健康増進に非常に力を入れており、ミルクプロジェクトを初めて導入した県でもあります。中高生の希望者にも給食を提供しており(食費は徴収)、そのため授業に集中できたり、補習などを受けたりして長時間勉強することができるようになりました。県知事からもこれらの活動によって、今年の全国統一大学入試においてドンドゴビ県が社会、数学で全国1位になるなど学習面でも高い効果をもたらしているとのお言葉をいただきました。
今後もドンドゴビ県、そしてモンゴル全土で地場産野菜を活用した栄養バランスの良い学校給食や食育がさらに展開していくことを期待しています。
ドンドゴビ県教育局長の挨拶
演習の様子
県教育局給食担当官による年間食育計画の説明
講義の様子 (2)
講義の様子
参加者の発表
修了証を手に笑顔の参加者