ベトナム最大の天然ゴム製造企業を訪問、今後の連携強化へ(2025年8月8日)
2025年8月8日、長岡技術科学大学の河原成元教授、東京工業高等専門学校の山本祥正准教授、ハノイ工科大学のPhan Trung Nghia准教授が、ベトナム南部ドンナイ省にあるVRG Dong Nai Rubber Corporation(DONARUCO)を訪問しました。
DONARUCOは、Vietnam Rubber Group(VRG)傘下の主要企業であり、研究開発部門を備える数少ない天然ゴム製造企業のひとつです。その歴史は19世紀末のフランス統治時代にさかのぼり、ドンナイ省で始まったゴムプランテーションの伝統を受け継いでいます。2025年現在、DONARUCOは34,000ヘクタールの天然ゴムの植林面積を持ち、年間49,000トンの製造処理能力を誇り、いずれも国内トップクラスです。植林から加工、輸出まで一貫体制を確立するとともに、欧州森林破壊防止規則(EUDR)に対応したトレーサビリティシステム*を導入するなど、国際市場への供給体制を強化している企業です。
今回の訪問では、ゴムプランテーションおよび加工工場を視察し、生産現場の実態を確認しました。今後は、SATREPSプロジェクトの社会実装を進めるため、DONARUCOをはじめとする多くの企業と連携の可能性を探り、技術協力や共同研究を積極的に展開していきます。
*トレーサビリティシステム:欧州森林破壊防止規則(EUDR)に対応するための仕組み。木材・ゴム・コーヒーなどのEU市場向け製品について、生産から輸出までの履歴を一元管理し、森林破壊ゼロとサプライチェーンの完全追跡を行うことで、事業者が製品の森林破壊や違法伐採との無関係を証明できるようにするシステム
ゴムプランテーションの視察
ゴム加工工場の見学
EU向けの製品 トレーサビリティシステムの説明