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ラオス北部に継続教育(CPD)制度の説明へ

北部の旅へ出発

さばいでぃー!今回はラオス北部へ出張してきました。これまでにラオス国内8病院県へ、看護技術演習などで使える万能型看護実習モデル「八重(やえ)」とCPR(心肺蘇生法)練習用マネキン「Little Anne」が配布され、各県での活用が進んでいます。今回のプロジェクトではその取り組みを2県拡大し、計10県にしました。新たに加わったラオス北部のサヤブリ県とルアンナムタ県を訪れ、保健省および中央病院のチームと一緒に、CPD制度と看護師研修カリキュラム(CTCN: Comprehensive Training Course for Nurses)の説明、そして「八重」と「Little Anne」の使い方を紹介しました。

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こちらは今回の北部出張ルートです。
■ルート1
首都ヴィエンチャン
→(電車で約2時間)→ルアンパバーン県
→(車で約3時間)→サヤブリ県
■ルート2
首都ヴィエンチャン
→(飛行機で約1時間)→ルアンナムタ県

サヤブリ県へ

最初の目的地はサヤブリ県です。首都ヴィエンチャンから電車で約2時間、まずはルアンパバーンへ向かい、そこからさらに車で約3時間。山道は穴ぼこだらけで、プロの運転手が器用にハンドルをゆっくり切りながら進みます。日本で車を運転していて、道路の“穴”を避けた経験なんてありません。普段まったく車酔いしない私でも、バウンドし続ける車内に少しクラクラ。
それでも車内はとてもにぎやか。看護助産委員会の会長が、3時間のあいだずっと話し続けています。ラオ語なので内容はほとんど分かりませんが、笑い声やジェスチャーから、話の盛り上がりだけは伝わってきます。長時間の移動にもかかわらず、最後までエネルギッシュに話し続ける姿に圧倒されました。

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電車内でも会話が絶えない保健省及びミタパープ病院関係者

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トラックのナンバープレートが見えなくなるくらい深い穴もありました

サヤブリ県では、保健省と中央病院であるミタパープ病院のスタッフが中心となり、県保健局や病院の医師・看護師に向けて、CPD制度とCTCNの概要を紹介しました。
デモンストレーションルームでは、「八重」と「Little Anne」の引き渡しと使い方の実演も行いました。ミタパープ病院の看護師が「Little Anne」の使用方法を説明すると、「自分もやってみたい!」と看護師のみならず医師たちまで前のめりに参加。練習の輪がどんどん広がり、ルーム内は笑顔と活気に包まれました。「首都では見たことがあったけれど、サヤブリ県でもこんな練習ができるようになったとは」と、驚きと喜びの声も聞かれました。
さらに、サヤブリ県病院の看護部長とミタパープ病院の看護部長が、看護学生時代の同級生ということもあり、その後の意見交換も終始温かい雰囲気で、CPD制度の説明やCTCN研修導入の話も、自然と前向きに進みました。

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CPD制度説明会の様子

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練習用医療機器の贈呈式

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CPRの練習に挑戦する参加者たち

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「練習させてくれてありがとう」「宝くじが当たりますように」と願いを込めて、「八重」のポケットにお金を入れるラオスならではの風習も見られました

ルアンナムタ県へ

次に訪れたのは、ラオス北部のもう一つの新しい対象県、ルアンナムタ県です。首都ヴィエンチャンから飛行機で約1時間の場所にあります。小さな空港を出ると、時間がゆったり流れているような、静かで落ち着いた町が広がっていました。
説明会の前日、病院を訪れてデモンストレーションルームを確認すると、棚や机にはうっすらとほこりが積もっており、しばらく使われていなかった気配が漂っていました。その様子を見た看護助産委員会の会長が、「なんでこんなに汚れているの?」と一言。すぐに洗剤の場所をスタッフに尋ねると、そのまま手際よく掃除を始めました。私たち日本側メンバーも後を追うように掃除を開始。机を運び、棚を拭き、床を磨くうちに、部屋はすっかりきれいになりました。会長の行動には、看護の現場で大切にされてきた“5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)”の心が自然に表れていました。

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テーブルを念入りに掃除する看護助産委員会会長

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前日に皆でデモンストレーションルームを整えました

ルアンナムタ県では、保健省と中央病院のセタティラート病院のチームが中心となり、サヤブリ県と同様の説明を行いました。説明会には、県保健局や県病院の医師・看護師が参加しました。多くの人にとって、CPD制度やCTCNの説明をきちんと聞くのは今回が初めてで、参加者は静かに資料を確認しながら耳を傾けていました。病院長はCPD制度への関心が高く、いくつか具体的な質問もありました。
きれいになったデモンストレーションルームでは、「八重」と「Little Anne」の贈呈式が行われました。講義中の質問は少なかったものの、実技では「使い方」についての相談が多く寄せられました。

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研修カリキュラムのポイントを紹介するセタティラート病院の看護師

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「八重」を使った演習の流れを、分かりやすく説明するセタティラート病院の看護師

小さな前進を積み重ねて

今回の北部2県での説明会は、CPD制度やCTCNを県レベルに浸透させていくための第一歩にすぎません。まだ制度を知る人は少なくても、「話を聞いてみる」「練習機器に触れてみる」という一つひとつの行動が、これからのラオスの継続教育を支える、ゆるやかで確かな広がりにつながっていくことを願っています。

(文責:天野優希)