23. 第3回サポーティブ・スーパーヴィジョン(SS)を実施し、母子保健サービスの質向上を推進
2026年6月、母子手帳のさらなる活用と母子保健サービスの質向上を目的に、母子手帳の開発・研修に携わったトビリシの専門医らがアジャラ自治共和国のパイロット地域を訪問し、第3回SSを実施しました。
産前健診、分娩、新生児健診を行う医療機関を訪問し、母子手帳の活用状況を確認しました。SSを通じて、医師を中心に、母子手帳への理解や記載、臨床現場での活用が着実に向上していることが確認されました。一方、今後は、看護師・助産師を含む医療チーム全体の関与、施設内の責任・モニタリング体制の明確化、妊産婦への標準化された説明・カウンセリングの強化が必要であることも確認されました。
また、コブレティおよびフロのプライマリ・ヘルスケア従事者45名を対象に研修を実施しました。母子手帳の目的・構成・記載方法に加え、子どもの成長・発達の評価や成長曲線について、講義、事例検討、実習を通して学びました。参加者からは「母子手帳をさらに活用していきたい」といった前向きな声が寄せられました。
最終日には、1年間にわたり母子手帳を活用してきた医療従事者、アジャラ公衆衛生局職員、母子手帳開発チームが参加し、改訂に向けたワークショップを実施しました。
現場の医師からは、母子手帳を毎回持参し、よく読んで活用している妊産婦がいる一方、文字情報だけでは十分に理解することが難しい場合もあるとの意見が寄せられました。また、医療従事者が記入する記録表についても、実際の使用経験を踏まえた改善案が提案されました。
こうした現場の声やパイロット期間中に明らかになった課題を踏まえ、より使いやすく、必要な情報が分かりやすく伝わる母子手帳を目指し、具体的な改訂項目を整理しました。今回のSSは、現場の経験を母子手帳の改善に反映し、母子保健サービスのさらなる質の向上につなげる重要な機会となりました。
イアシュヴィリ・バトゥミ母子中央病院での産前健診スーパーヴィジョン (右:産科スーパーバイザーのMakaさん(帰国研修員))
アジャラで最も出産数の多いBAU病院での新生児科スーパーヴィジョン (左:新生児科スーパーバイザーのKhatunaさん(帰国研修員))
山間部のKhulo地区担当の村落医師・看護師向け研修
研修講師(小児科医)のMaiaさん(帰国研修員)
黒海沿岸のKobuleti地区担当の村落医師・看護師向け研修
村落医師・看護師は、家庭訪問による小児の診察・健診・予防接種も行う。医療機関にアクセスしづらい家庭のための母子手帳の活用が広がることを期待している。
パイロット期間中に抽出された検討すべき母子手帳改訂事項について発表するプロジェクトスタッフのShorenaさん
母子手帳改訂に関するディスカッション