JICA・WHO・ベトナム保健省が連携し、ウイルス性肝炎対策の強化に向けた取り組みを推進
ベトナムにおけるウイルス性肝炎対策を強化するため、JICA、WHOベトナム事務所、ベトナム保健省が連携して実施した一連の活動が、2025年9月に報告書「Viet Nam Viral Hepatitis Programme Review Report(以下、プログラムレビュー)」としてWHOにより取りまとめられました。本報告書は、ベトナム政府が肝炎対策の現状を客観的に把握し、課題を整理するための重要な基礎資料となっています。感染状況、医療提供体制、サーベイランス、母子感染予防対策、啓発活動など幅広い分野について分析と提言がまとめられ、今後の対策強化に向けた大きな一歩となりました。
このプログラムレビューは、2024年11月にWHOベトナム事務所および保健省疾病予防局と共同で実施されました。政策、予防、診断・治療、啓発、情報管理など複数の領域を対象に、全国各地で詳細なヒアリングとデータ収集を行われました。また、本プログラムレビューの実施にあたり、保健省の要請に応じて、同月に開始した「ウイルス性肝炎予防対策強化プロジェクト(VHEP)」からも資金援助を行い、現地調査に参画しました。本調査には、JICA短期派遣専門家として佐竹正博先生(前日本 赤十字社血液事業本部中央血液研究所所長)、 長沖祐子先生(マツダ病院消化器内科部長)の2名が参加し、技術的助言を提供しました。
調査の結果、ウイルス性肝炎が依然として重大な公衆衛生課題である一方、各省の疾病対策センターや医療機関が連携することで改善の余地が大きいことが明らかになりました。調査と報告書作成を通じて関係機関間の協力体制も強化され、将来的な政策立案や対策の方向性について共通理解が深まりました。
今回の取り組みは、ベトナムの肝炎対策を科学的根拠に基づき強化するための重要なステップです。今後は国家アクションプランの改訂や予防・診断・治療体制の改善、啓発活動の強化など、具体的な施策の推進に活用されることが期待されています。JICAは今後もWHOおよびベトナム保健省と緊密に協力し、ウイルス性肝炎対策のさらなる前進に貢献していきます。