エボラウイルス迅速診断キット供与

2020年7月31日

コンゴ民主共和国では、2020年5月31日に赤道州ムバンダカ(Mbandaka)にてエボラウイルス病の発生が確認され、6月1日に同国における第11回目の流行として宣言されました。
コンゴ民主共和国で発生した2017年以降のエボラウイルス病の流行時には、JICAを通じてエボラウイルス病迅速診断キットがデンカ株式会社より複数回にわたり無償提供されました。今回の流行においても、プロジェクトの実施機関である国立生物医学研究所(INRB)から要請があり、同様にキットが無償提供されることとなり、7月31日に1000テスト分のキットがJICAを通じて供与されました。

供与したエボラウイルス病迅速診断キットは、ザンビアで先に行われたプロジェクトでプロジェクトのチーフ・アドバイザー兼ウイルス学専門家である北海道大学の髙田礼人教授(人獣共通感染症リサーチセンター)とデンカ株式会社が共同開発したもので、わずか10分で診断結果が判定でき、特別な器具や装置を必要としないため、医療施設が十分に整備されていない地域においても使用が可能なものです。そのため、コンゴ民および周辺国におけるエボラウイルス病の感染拡大防止に、大きく役立つことが期待されます。今回供与されたキットは、現在エボラウイルス病が発生している赤道州において従来の遺伝子検査と併用して使用され、その結果を臨床データとして蓄積することで、今後必要に応じてキットの改良を実施するための判断材料となります。
コンゴ民主共和国では、他国同様、2020年3月より新型コロナウイルスの感染が拡大していますが、プロジェクトでは、エボラや新型コロナを含めたウイルス性人獣共通感染症に関する研究機能強化に向けた活動を、今後も引き続き実施します。

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