コンゴ民主共和国クワンゴ州でのサル痘調査

2022年11月1日

2022年7月、サル痘の世界的な感染拡大を受けWHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言をしました。日本でもこれまでに7例のサル痘患者が確認されています(2022年10月26日時点)。SATREPS事業「アフリカにおけるウイルス性人獣共通感染症の疫学に関する研究」を実施しているコンゴ民主共和国(以下、コンゴ民)では、世界的な感染拡大以前からサル痘の流行が知られていました。2021年12月にはマニエマ州で、最近では7月23日に首都キンシャサから350km離れたクワンゴ州の州都ケンゲにあるコロコソ村でサル痘の発生報告がありました。特に、コロコソ村は人口密集地である州都ケンゲにも近く、ヒトからヒトへの感染増加が懸念されています。

2021年12月の発生宣言を受け、プロジェクトは2022年2月にマニエマ州でサル痘患者居住地における動物の検体採取を行いました。また、7月に症例が確認されたクワンゴ州でサル痘発生状況を調査し、コロコソ村におけるヒトと動物の疫学調査の実施を決めました。異なる地域で検出されたサル痘ウイルスを比較することにより、国内でのサル痘の流行過程をより詳細に把握することが期待できます。中央獣医学研究所(LABOVET)のカウンターパートが中心となり2022年9月24日~31日にかけて、コロコソ村内の動物(家畜および野生動物)やサル痘感染リスクのある人々(ハンター、動物販売者やこれらの親族)から検体採取を行いました。

今後、採取された検体は北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の支援のもと解析が行われます。またサル痘以外のウイルスについても並行してスクリーニングし、感染症を引き起こしうる未知のウイルスの探索も予定しています。

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クワンゴ州保健局にて

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クワンゴ州保健局

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カウンターパートによる活動説明

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検体採取の様子

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地方での活動は時々トラブルが発生

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車両が入れない地域での活動も多々あり