5.4,000倍への挑戦!その1(種苗管理チーム・徳永研究員始動!)

2016年4月20日

日本で「キャッサバ」というと、「サバ(鯖)の仲間?」という反応が多いのです(「タピオカの原料」と言えば、まだ通りが良いのですが)。それほど日本で馴染みのないキャッサバに、なぜJICAが関わるのでしょう? それは、キャッサバが、ASEAN諸国が国策として生産する「戦略作物」だからです。キャッサバは、乾燥地や、酸性土壌、貧栄養地など、耕作不適格地でも育ち、栽培に土地を選びません。ということは、他の作物と農地を奪い合う必要がないので、既存の農業プラス・アルファを実現する「農業政策上の優等生」なのです。また、作付面積当りのカロリー生産量やデンプン生産効率が高い一方、栽培法は茎を地面に挿すだけと手間がいらず、初期投資もわずかで、「貧農対策や食糧問題の救世主」でもあります。乾燥に強いということは当然「温暖化対策の秘密兵器」となり、カーボン・ニュートラルなバイオ燃料原料として「気候変動対策上の切り札」ともなり、その上、家畜飼料や工業原料として、大メコン圏で年30億ドルを叩き出す「経済起爆剤」でもあるのです。そんなキャッサバの生産を拡大するポイントの一つは「良い苗をきちんと管理すること」。ベトナム農業遺伝学研究所に赴任した、理化学研究所の徳永浩樹研究員が、その専門家として活躍します。

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理研の徳永研究員始動!

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日本でよく見かけるタピオカ・ドリンクの屋台

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カンボジア・バッタンバン州で収穫中のキャッサバ芋

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キャッサバを育てるには、この茎を20cmほどに切り分けて地面に挿すだけ

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ベトナム南部フンロック農業研究センターのキャッサバ芋