2016年5月4日
2015年4月、カンボジア南部のネアックルン橋が日本のODAで完成すると、ホーチミン〜プノンペン〜バンコクの「南部経済回廊」が全線開通し、「東西経済回廊(ダナン〜モーラミャイン)」、「南北経済回廊(昆明〜バンコク)」と合わせたインドシナの「経済回廊(写真1))」は本格稼働し、経済物資や人的資源が縦横無尽に行き交い始めました。すると、それに呼応するように、それまで全く報告されなかった病理現象が現れました。2016年3月、アフリカとインドでしか報告例のなかった「スリランカ・キャッサバ・モザイク・ウイルス(SLCMV)」が、カンボジア東部のラタナキリ州で発見されたのです。急きょ現地に飛んだCIAT(注)チームは、同州以外でもウイルスを確認しました。当然、罹病状況を調査し、感染ルートを洗い出し、他地域への転移を防ぐ必要があります。こうした新たな状況に対応するための行動計画が、全研究員を一堂に集めたキックオフ・ミ—ティングで話し合われました。
(注)CIAT:「国際熱帯農業センター(International Center for Tropical Agriculture)」コロンビアを拠点とする国際機関。本プロジェクトのカウンターパートのひとつ。