10.カボチャを制する者、虫を制す(害虫対策チーム、タイ・タピオカ開発研究所(TTDI)で研修受講)

2016年5月14日

キャッサバ害虫コナカイガラムシを制するには、先ずカボチャを制する必要があります…とは、どういうことでしょう?寄生蜂は孵化して成虫になるまで半月かかり、成虫になれば卵を産みますから、半月ごとに増殖が可能です。しかし、そのためには、彼ら(いや彼女ら)が卵を産み付けるカイガラムシが必要です。そこで、カイガラムシを増やすわけですが、大好物のキャッサバを与えれば良いかというと、悲しいかな、キャッサバの成長(約10カ月)に合わせていては、カイガラムシも寄生蜂も、全然繁殖が間に合いません。そこで登場するのが、一年中手に入るカボチャです。というわけで、害虫対策チームは、カボチャの種類についても造詣を深め、栽培方法を習得する必要があります。因みに、日本語の「カボチャ」の語源は、ポルトガル語の「カンボジア」なのだそうです。

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コナカイガラムシに卵を産みつける寄生蜂は、いわゆるミツバチ等とは違い「プレデター(肉食)」である(©TTDI)

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ノンラム大学の病害対策チームにカイガラムシの卵を付着させたカボチャを見せるTTDI研究員(右)

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カイガラムシの卵を付着させたカボチャ

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寄生蜂は百匹ごと瓶に詰め、蜂が当面食べる蜂蜜を与える

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瓶詰めされた寄生蜂

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ラベルを貼った寄生蜂入りの瓶

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寄生蜂は必要とする農家への出荷まで冷蔵庫で眠ってもらう

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TTDI玄関にて