24.流動化の海への船出(普及チーム・馬場研究員始動!)

2016年7月2日

キャッサバ、サトウキビ、トウモロコシは、農家にとっては好都合な「代替作物」です。でも「そっくり取り替えがきく」というのは良いことばかりでもありません。例えば、中国は2008年来、国内のトウモロコシ価格を下支えしていましたが、そのために国内価格が高止まりし、これを嫌気したバイオ燃料会社や畜産農家が「代替原料・飼料」を探した結果、脚光を浴びたのがキャッサバでした。カンボジアでキャッサバの作付面積が10年で25倍、生産量が54倍も増えたのは、ひとえに、この中国の「代替特需」のおかげだったのです。ところが、この春、中国政府は政策を転換。たちまちトウモロコシ価格は下落し、「代替品」のキャッサバも存在意義を失いました。本プロジェクトは、キャッサバ需要が調整期に入ったまさにこの瞬間に始まりました。九州大学の馬場多門研究員は、今後、普及チームの一員として農家に寄り添い、流動化の海のただ中に活路を見出す手伝いをします。

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普及チームのポストドクター研究員馬場さん