2016年7月25日
日本の皇居といえば、さぞや宮内庁が厳重に管理しているかと思いきや、意外や意外、実は、故昭和天皇のたっての希望で、一部の区画は自然のまま放置され、野生植物が繁茂し放題なのだそうです。で、その昭和天皇と言いますと、戦後間もなくの夏、御座所の芝刈りが終わっていないのを恐縮した侍従長が、「まだこんなに雑草が残っていまして」と詫びたところ、いつになくキツイ口調でこう言われたといいます:「雑草と言う名の草はない。どの草にも名前があり、自分の好きな場所を選んで生きているのだ」。無冠の生物学者の面目躍如と言うところでしょう。ところで、今般ベトナムに着任した田中宏卓特任助教は、皇居の生物相調査にも参加されたことから、「宮廷カイガラムシ博士」の異名をとります。今後の更なる活躍に期待致しましょう。