52.新たなる「対面」の衝撃!その3(ドンナイ省で農家、事業経営者、農業行政官向けICT農業モニタリング・セミナーを開催)

2016年9月30日

ベトナムの場合、農家への無難なアプローチ法は2つあります。一つは(1)農業行政官を通じる方法、もう一つは(2)農業経営者を通じる方法です。そこで、本事業でウイルスフリー健全苗の供給基地となるフンロック農業研究センター(南ベトナム・ドンナイ省)に、(1)植物防疫官と(2)でん粉工場経営者を集め、ICT農業モニタリング・セミナーを開催しました。結果、行政官は、このシステムを使えば担当地区で行政指導を徹底できること、また工場経営者は、作物の収穫量を予測し、的確な経営判断をくだせることを理解したようです。こうしたことは、これまでは何時間もかけて現場に足を運ばなければ分からなかったことです。それが、執務場所(行政官はディストリクト事務所など、経営者は会社のオフィス)にいながらにして、現場に行くよりはるかに膨大なデータを一網打尽にできるのです。それは文字通り「革命的」出来事と言えるでしょう。面と向かわずして、そうする以上のことが出来る、この「新たなる対面」は、ドンナイ省を起点にベトナムに広がるでしょうか?その本格的な試みがいよいよ始まります。

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傘下の農家の生産状況を把握し、収穫量を予測し、的確な経営判断を下せるというICTモニタリングの利点を理解した農業経営者たち

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担当地区の行政指導を徹底できるというICTモニタリングの利点を理解した植物防疫担当官

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通常の行政ルートの栽培アドバイスは選択肢が少ないと不満を漏らす農業経営者。例えば、特定の農薬の効能を確認するため、それを実際にやってみた近在の農家の声がリアルタイムに聞けるICTモニタリングの時間的メリットは大きい。

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早速アプリをダウンロードする行政官(右)とフンロック農業研究センターの研究員

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同アプリを使えば自分の農地の周りをグルリと一周するだけで本当の面積を割り出せる(ベトナムでは所有地の正確な面積を知っている農家など皆無に等しい)