58.4,000倍への挑戦!その7(理化学研究所での本邦研修帰国報告会)

2016年10月25日

キャッサバの苗を効率的に増殖させるのに組織培養(No.55)は有効ですが、それだけでは十分ではありません。この方法で育てた苗は、文字通り「温室育ち」で、そのまま土に植えても、うまく育たないからです(結局、幼苗から成木になるまで時間がかかってしまいます)。そこで登場するのが「水耕栽培(Hydroponic System)」です。この方法の売りは「根」にあります。根は、土という障害がないと、驚くほど速く、そして強く成長するのです。特に発芽数週間後の若い苗なら、この水耕栽培を使うことで発根力が倍増し、月に2回の増殖率、つまり年に4,096倍(2の12乗)に増やすことができます。理化学研究所での研修から帰ったフオンさんが、いよいよその実現に向けた本格的取組みをベトナムで開始しました。

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帰国報告会のベトナム農業遺伝学研究所のフオンさん

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水耕栽培実験中のカンボジア・バッタンバン大学のソケアンさん