66.ルーツ・オブ・トライアングル(病理対策チームの本邦研修@東京農大&東京大学)

2016年11月14日

キャッサバの原産地は中南米で、それがアフリカ経由でアジアへ伝わったわけですが、そもそも中南米からアフリカへ渡った経緯は「あまりにも人間的」です。時は17〜18世紀。ヨーロッパでは紅茶を飲む習慣が広まり、そこに入れる砂糖の需要も急増、砂糖生産地のカリブ海諸島やブラジルでは大増産体制が敷かれましたが、どうしても足りないものがありました。労働力です。そこで、ヨーロッパを出た船は、先ず西アフリカへ武器を運び、この武器で黒人を捕え中南米へ運び、砂糖を生産させ、できた砂糖をヨーロッパ本国へ運ぶという、悪名高き「三角貿易」を作り上げたのです。問題は、アフリカから中南米までの船の上の黒人奴隷の食料で、目を付けられたのがキャッサバでした。キャッサバがアフリカに渡った背景には、かくの如き世界史の暗黒面が潜んでいるのです。ところで、大陸間を移動したのはキャッサバばかりではありません。キャッサバの病気も海を渡ったのです。本事業で、この病気に対抗するのは、東京農業大学と東京大学の病理対策チームです。早速この2つの大学で、ベトナムとカンボジアのカウンターパートに対する病理研修が始まりました。

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カンボジア・バッタンバン大学のヴェイさん(左)とベトナム植物防疫研究所のクアンさん

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分子生物学的手法を習得中

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東京大学柏キャンパスにて、媒介虫からのウイルス検出の専門家宇垣先生(右)と

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東京農業大学夏秋研究室の研究生のみなさんと