76.北の砦と南の砦(南ベトナム・ノンラム大学で病理の分子生物学的研修)

2016年12月12日

南北に長いベトナムの気候は、中部の古都フエと第3の都市ダナンの間に横たわるハイヴァン峠を境に、まったく違う二つの気候に分断され、空気や陽光の質感、空の青さまで違うと言います。特に、この峠の下にうがたれたトンネル(日本のODAで建設された、長さ6.3kmの東南アジア最長の道路トンネル)を抜ける瞬間は、川端康成の「雪国」の、あの有名な冒頭の一文を彷彿とさせる衝撃を味わえるといいます。このように気象条件が異なると、農業の方法も違いますし、それに伴う病害虫の種類や発生メカニズムも異なってきます。つまり、「北の砦」としてのハノイ植物防疫研究所に加え、南部の病理対策拠点を持つのがより効率的です。そこで、ノンラム大学の病理チームに分子生物学的研修を施し、「南の砦」となってもらう準備を始めました。

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ノンラム大の病理チームにLAMP技術を移転する東京大学の鵜家研究員

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分子生物学的病原検出法を習得するノンラム大学の病理チーム

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LAMP検査キット・プロトコールのノンラム大学への導入実験成功