89.切っても切れない味の縁(ベトナム味の素(有)ビエンホア工場を視察)

2017年1月17日

ベトナムの屋台料理フォーは、最近はインスタント麺商品も売り出され、日本でもお馴染です。そんなフォー屋さんに欠かせないのが「味の素」ですが、実は、味の素は、本事業とも切っても切れない関係にあります。というのも、ベトナム味の素社は、味の素の製造のために、国内キャッサバ・デンプン生産量の実に5.5%に当たる12万トンものデンプンを購入しているからです。そこで、南部ドンナイ省にある(ここには本事業のカウンターパートであるフンロック農業研究センターもあります)、同社のビエンホア工場を視察させて頂きました。工場は、敷地面積が14.4ha、従業員815名で、2014年からはイネのもみ殻を主原料とするバイオマス・ボイラーを導入、省資源でクリーンな生産体制が敷かれています。デンプンの買い付けは、周辺のキャッサバ生産地ドンナイ、タイニン、ビンフオック、ビンズオン、ビントゥアン省の13のデンプン工場からだそうで、本事業が生産する健全種苗にも大いに興味を示して頂きました。味の素の原料になるキャッサバ・デンプンのみならず、その製造過程でできる肥料などの利用も含め、今後の連携が知恵の絞りどころです。

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ベトナム味の素(有)本橋社長。手にしているのは、味の素の製造過程で出来る副産物を原料とする液体肥料

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左から:農業農村開発省JICAジャパンデスクの安部専門家、ベトナム味の素(有)の小林本部長、井芹調整員