90.まだまだ広がるデンプンの未来 その2(タイニン省のデンプン工場を視察)

2017年1月18日

デンプンには、食品、医薬品、化粧品、工業製品以外にも、意外な使い道があります。それは「農薬」です。といっても、化学農薬ではなく、環境に優しいソフト農薬。原理はいたって簡単で、デンプンを水に溶かし、界面活性剤を加えただけ。でもこれを害虫にかけると、デンプンの粘着効果で虫は窒息死するのです。利点は、?@残留農薬などの心配がなく安全であること、?A散布後すぐ(20分くらいで)効く極めて高い即効性、そして?B駆除の方法が化学的でなく物理的なので害虫が抵抗性を発達させないことです。この溶液、微小サイズの虫にしか効かないので、その天敵、つまり益虫には悪影響を与えないそうです。作り方を農家に広め、農家が自分で育てたキャッサバのデンプンで、自前で作れるようになれば、一石二鳥、いや三鳥ぐらいになるかもしれません!

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デンプン工場に運び込まれるキャッサバ芋

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デンプン抽出前に大まかに加工される(余分な部分を取り除かれる)キャッサバ芋

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袋詰めされるキャッサバ・デンプン

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キャッサバ芋のデンプンを搾り取った絞り粕は肥料や家畜飼料になる