100.キャッサバの新たな市場開拓の可能性

2017年2月16日

キャッサバは、そのイモに含まれるデンプンを通じて広大な市場に繋がっていますし、またその葉は、カイコや家畜の飼料にもなりますので、シルクやブランド肉といった新市場にも繋がっています。では、茎はどうでしょう? 農家の中には、種苗となる茎の販売に特化して栽培するところもありますが(その場合、通常の4倍程度の密植が可能)、茎には種苗やバイオマスとして使う以外の利用法はないのでしょうか? 実はこれがあります。ヒントは、ベトナム農業遺伝学研究所(AGI)のヴァンザン・ステーションにありました。同ステーションの6 haに及ぶ敷地では、柑橘類や花木の新品種開発、増殖、販売が行われていますが、中でも目を引くのがキノコと、その菌床(人工培地)の生産で、キャッサバの茎は、ある種のキノコの培地に最適なのです。AGIのキノコ事業が目覚ましい成功を治め、今まさに拡大中であることを考えると、この新たな利用法を軸としたキャッサバ市場開拓の可能性も見えてきます。

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AGIのヴァンザン・ステーション

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ステーション内部の実験室

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商品のキノコを見せるAGIハム所長

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キノコのムロにてCIAT石谷上級研究員(中央)ら

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キノコのムロ内部

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出荷前のキノコの菌床