110.キャッサバの葉は打出の小づち(ミニブタSATREPSとの連携−養豚飼料としてのキャッサバの葉の利用)

2017年3月7日

キャッサバのイモや葉っぱには、シアン化水素(=青酸)が含まれていますので、生で食べると牛でも死にますが、この毒は、日干しや湯煮、発酵などで簡単に抜くことが出来、沖縄では古くからほうれん草と同じ要領でキャッサバの葉が食べられてきましたし、インドネシアでは有名な「パダン料理」に不可欠な食材として、植えて2ヵ月位の若々しい緑の葉が好んで食べられます。そもそも、キャッサバの葉には豊富なカルシウムやビタミン、大豆の40%に次ぐ25%(一般の牧草の数倍!)という高い含有率のタンパク質が含まれていますから、豚などの家畜飼料としても最適です。そして、例えば、ラオスのある村では、発酵させたキャッサバの葉に、イモ、米、魚粉を混ぜた飼料で豚を育て、それまで1年以上かかっていた出荷までの成育期間を3ヶ月に短縮できたといいます。そこで本事業では、ベトナムで野性ブタの遺伝資源を保存するSATREPS「ベトナム在来ブタ資源の遺伝子バンクの設立と多様性維持が可能な持続的生産システムの構築プロジェクト」の養豚の専門家と、捨てられるにまかせているキャッサバの葉の再利用とブタのブランド化の可能性について意見交換しました。

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前列左から:農業・食品産業技術総合研究機構の菊地先生(ミニブタSATREPSチーフ・アドバイザー)、獣医師で伊藤忠飼料(株)研究所食卓研究員の林さん、CIAT石谷上級研究員、後列左から:ミニブタSATREPS業務調整員の山岸さんとプロジェクト・アシスタントのヒエンさん