117.20年を経て得られる成果(CIAT創設50周年・ベトナム歴40周年記念式典がベトナムAGIで開催される)

2017年4月4日

今年は本プロジェクトのベトナムのカウンターパート機関の一つであるCIAT(No.96ご参照)の創設50周年、ベトナムにおける活動歴40周年の記念の年ですが、実はこの歳月の間、CIATとアジアのキャッサバをつないだのは河野和男さんという日本人の研究者なのです(No.53ご参照)。その河野さんがこんなことを言っています。「インドネシアで普及したマラン2号というキャッサバ品種は、政府機関が全く知らないうちに生産者間で数千haの規模に作付面積が拡大し、農家の俗称が品種名として定着した。政府は、大慌てで、いかにもお役所らしい名前を付け、奨励品種に登録したが、農家はそんなこととはつゆ知らず。でも、こんな支離滅裂な方法でも、全てを制御しようとするより良い結果をもたらすことが多い」。長年、現地の農家の人々とともに考え悩んだ河野さんならではの言葉なのでしょう。河野さんはこうも言っています。「CIATのキャッサバ育種の最初の10年は、外に見える成果は何もなかった。だが、現在の成果はその10年の積み上げがなければあり得なかった」。つまり20年以上かけないと成果の出ない仕事もあるということなのでしょう。

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河野和男氏©社会貢献支援財団

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CIATコロンビア本部(1976年)の育種圃場©河野和男氏

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CIATコロンビア本部(1980年)の育種圃場©河野和男氏

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Crop Science誌の表紙を飾るインドネシアのマラン1号(1989年)

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タイのKU50号(1992年)©河野和男氏

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タイのラヨーンにて(2007年)©河野和男氏

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CIAT創設50周年記念行事(@AGI)でキャッサバ新品種を披露するフンロック農業研究センターのヒ—所長(右)と井芹業務調整員

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CIAT創設50周年記念行事(@AGI)にてヘルシー料理を披露するベトナムの料理の鉄人アン先生(右から二人目)

【画像】創設50周年記念行事(@AGI)に集ったCIATアジア関係者一同