121.桶屋式連鎖オンパレードの市場(ベトナム・ドンナイ省でベースライン調査を開始!)

2017年4月18日

ベトナム政府は目下、急落する豚肉価格(キロ120円!)に歯止めをかけるべく、軍や警察含む全公務員に豚肉消費を呼び掛け、農業大臣に過剰供給の是正を求めています。しかし話はそう簡単ではありません。そもそも豚肉の供給が増えた背景には、一昨年の価格急騰を受け、農家がこぞって養豚を始めたことがあります。また、その時、豚肉の値が上がったのは品切れが続いたことが原因でした。では、なぜ品切れになったかといいますと、ウイルス病で子豚が大量死したのと、先進国で、食品衛生法上、感染肉の出荷が禁止されたからです(感染肉を人が食べても問題ないにもかかわらず)。これに輪をかけたのが北米の旱魃⇒飼料価格の高騰⇒牛肉生産の減少⇒代替品である豚肉需要の増加⇒豚肉在庫の減少という、もう一つの連鎖でした。養豚拡大は、実は在庫難への必要な切り札だったのです。経済学によると「市場」は神の摂理を体現すると言われますが、実際には、かくのごとき「風が吹けば桶屋が儲かる式連鎖」のオンパレードでもあります。しかし、持続的な生産体制を築くには、その市場に足を踏み入れざるを得ません。その重要な下準備となる、生産農家を対象としたベースライン調査が、ベトナムのドンナイ省において始まりました。

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ノンラム大学のニエン博士(左から3人目)を中心とするベースライン調査チーム

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ドンナイ省のキャッサバ生産農家(種苗になるキャッサバの茎を見せる)

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生産農家にICTモニタリング・ツールを紹介する調査チーム