237.タイのてんぐ巣病徴株のPCR実験@東京農大

2017年11月15日

ベトナムとカンボジアにおけるファイトプラズマ調査では、幸か不幸かLAMPキットによる陽性反応は得られませんでした(No.161、No.193)が、タイの各地で採集したてんぐ巣病株について、nested-PCR法(注)による検出を試みたところ、陽性反応が得られました。また、塩基配列を調べた結果、タイ株と既報のベトナム株の間の近縁関係が明らかになりました。てんぐ巣病の病原がファイトプラズマだけなのか、何か他の原因もあるのか、興味は尽きません。ファイトプラズマについては、今後、タイのてんぐ巣病を中心に、更に詳しいシークエンス解析などを行う予定で、インドシナのてんぐ巣病の病原の解明作業が続きます。

(注)nested-PCR法
ウイルスやファイトプラズマを遺伝子レベルで特定するには、それらに特徴的なDNAの特定部分を増幅します。この増幅原理をPCR(Polymerase Chain Reaction/ポリメラーゼ連鎖反応)といいます。Nested-PCRは、この増幅方法の一つで、通常のPCRより精度の高い方法です。

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実験中のファヌワットさん

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ファヌワットさんが実験用に保全するキャッサバ植物体