336.ベトナム・エアロポニックは根をのばす!

2018年4月30日

2016年以来続けられた水耕栽培技術については、一歩進めたエアロポニック(噴霧式水耕栽培)も試行してきましたが、その結果、硝酸窒素を含む水耕液を噴霧して植物に与えると、安定的に発根・生育させられることがわかりました。キャッサバの挿し木の発芽や生存では「木化(=木質化)していること」が重要な条件で、そのためには約1年という時間を要しますが、このエアロポニックを使えば、木化していない若い苗を増殖に利用できるという重要な発見がなされたのです。また、この方法を使えば約1ヶ月間で親株と同サイズに成長させることができるので(あくまで理論上ですが)1つの苗を1年間で6千倍に増殖することも可能です。コスト的にも組織培養のような施設は不要で、水耕液と噴霧機があればよいので、多くの国や地域で汎用性のある方法になる可能性があります。プロジェクト期間中に種苗生産に向けたシステム構築とその最適化を行っていきたいと思います。

【画像】

エアロポニックで水耕液を噴霧させた場合(右側)、根の伸長が著しい