387.九州大学、「バイオロジカル・コントロール誌」に論文掲載

2018年7月13日

他の昆虫(寄主)に卵を産みつけ、卵からかえった子が寄主を食べて大きくなる寄生蜂は、産卵時に寄主を殺したり麻痺させたりする型と、寄生後も寄主を生かす「飼い殺し型」があるそうです。そして、昆虫の蛹(さなぎ)に寄生する寄生蜂は、これまで寄主を殺すタイプと考えられてきましたが、九州大学は今般、ある種の蛹寄生蜂が、寄主を成虫になるまで飼い殺すことを世界ではじめて明らかにしました。この飼い殺し寄生、寄主を大きくすることによってエサとなる部分を増やす戦略と考えられますが、寄主を動けるままの状態にして、他の肉食昆虫による捕食を避けるなどのメリットもあるのかもしれません。そういう意味で面白いのは、テントウムシの成虫に寄生する寄生蜂で(大半の寄生蜂は、昆虫の卵や幼虫、蛹にしか寄生しないのですが)、この蜂、寄生した成虫のテントウムシをゾンビ化させ、産みつけた自分の子を守るように操作するというからスゴイです!

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