454.カンボジア・バッタンバン州でウイルス病徴を発見

2018年10月3日

本プロジェクトのカンボジアの生産基地があるバッタンバン州は、これまで東部から拡大するウイルス病の被害をまぬがれていましたが、今般、同州南東部のルカックキリ郡において、プロジェクト・チームがウイルス病らしき症状を示す株を発見し、PCR検査の結果、陽性反応を得ました。媒介虫は観察されず、生産者に苗の由来を聞くと、ベトナムのウイルス病感染地であるタイニン省と答えていることから、感染苗が植えつけられたようです。タイニン省の感染は、カンボジアの感染株によるものと思われますから、今回の事態は、さらにそれがお里帰りしたことになります。以前、ウイルスを運ぶ媒介虫やその虫を運ぶ車などを「トロイの木馬」に例えましたが(No.225)、今回の発見は、ウイルス病拡大の最大の「木馬」が「苗」を運ぶ「人間」であることを強く示唆しています。しかも人間は、感染苗を運ぶばかりか、ご丁寧にも増殖し、普通なら増殖率が低いキャッサバの感染株増殖に極めて有り難くない貢献をしていることになります。ともかく、これで、ベトナムに続き、カンボジアの健全種苗生産基地がある州もウイルスが侵入し、基地の防衛は待ったなしとなりました。

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ウイルス病徴を示す株を観察するUBBソパリーさん

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ウイルス病徴を示すキャッサバ株