1019.ベトナム、モザイク病抵抗性品種の現地適応品種との交配

2020年10月2日

キャッサバの開花誘引要因を解明する研究(No.322)を実施するベトナムの計5箇所(一般的な地域3ヶ所と山岳地帯2ヶ所)のうちの一つ、南部高原地帯のラムドン省の圃場(No.988)では、モザイク病抵抗性品種、ならびにそれと交配予定の現地適応型品種(KU50など)が蕾(つぼみ)をつけ開花をはじめました。そこで、フンロック農業研究センターのスタッフらが交配を実施しました。キャッサバは、同じ株の同じ枝に、いわゆるメシベをもった「雌花」と、オシベをもった「雄花」が咲きます。そこで交配チームは、現地適応型品種の雌花が開花する前に、そこにカバーを施し、交配予定ではない株の雄花の花粉がハチなどに運ばれ、雌花のメシベにつかないようにしなければなりません。そして、開花後、抵抗性品種の雄花の花粉を、現地適応型品種のメシベにつけ受粉させるのです。今回は150組の交配を実施ました。交配が成功し、両方の品種の遺伝子を受け継ぐタネ(雑種第一世代、あるいはハイブリッドF1種)ができれば、ベトナムでは初の快挙となり、東南アジアの現地環境に適応したモザイク病抵抗性品種開発における重要なマイルストーンとなります。

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キャッサバの雄花と葯

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雄花に来るハチ

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花粉をたっぷりまとったハチ

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雌花にくるハチ

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キャッサバの雌花と柱頭