1022.ベトナム、フンロック農業研究センターの過去30年間のキャッサバ集大成本発刊

2020年10月12日

本プロジェクトでベトナム南部の健全種苗生産普及基地となるフンロック農業研究センターは、ベトナムのキャッサバ研究史において特筆すべき足跡を残しています。1988年以前、同センターは、主にタイから輸入した品種を独自に評価し、ベトナムの気候や土壌に適した優良種を育種していましたが、当時のキャッサバの位置づけは「食用作物」であり、育種方針も、毒となる「シアン化水素含有率の低さ」と「食味」に特化したものでした。そんな同センターの取り組みが転機を迎えるのは、1988年9月、国際熱帯農業センター(CIAT)の河野和男氏(キャッサバ育種家)とラインハルト・ハウラー氏(農学博士)が体系的な育種プログラムを発動させた時でした。その時に薫陶を受けたヒーさん(同センター前所長)は、1989年にCIATコロンビアで3か月の研修を受け、以来、キャッサバ研究に生涯を捧げてきました。今般、本プロジェクトでの成果も含む、ヒーさんの30年以上にわたるキャッサバ研究の成果である「キャッサバの科学」が上梓されました。

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左から南部ベトナムのキャッサバ育種家ヒーさん(フンロック農業研究センター前所長)と北部ベトナムのキャッサバ育種家ヒエンさん(根茎作物研究開発センター(No.145)副所長)

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