1023.ベトナム、モザイク病ウイルスゲノムの全長解析、結果をジェンバンクに送付

2020年10月15日

植物防疫研究所は、モザイク病を引き起こす病原スリランカキャッサバモザイクウイルスの性質を規定しているAとB二つのゲノムを、6組のプライマーを用いるPCRで部分的に増幅した上で(図1)、それぞれの塩基配列を解析し、得られた配列情報をつなぎあわせて両ゲノム全長の配列を明らかにし、生物ゲノムの塩基配列情報を集めた公的データベースであるジェンバンクに送付しました。今後、世界中の研究者からアクセス可能となり、同ウイルスの研究に寄与すると期待されます。また、各ゲノムの全長(約3000塩基対)を1組のプライマーのみを用いてPCR増幅する研究に取り組み、Aゲノムについては全長の増幅に成功しました(図2)。今後は、Bゲノムを同様に増幅し、得られたAとB両方のゲノム全長を大腸菌プラスミドにクローン化することにより、感染性クローンの構築など更なる解析が可能になります。

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図1:AとBの2つのゲノムの部分的増幅結果

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図2:Aゲノムの全長増幅結果